軸組工法の用語

Sponsored Link

建物の寸法、単位

現在のほとんどの建物は、部屋の大きさを割り付けるときに、910mmを基準として間取りを考えます。これは、昔の寸法の基本が尺(303mm)で考えられていた名残ですし、現在でも建材の多くは尺を基本とする寸法で多く作られています。

たとえば、建材の寸法は、幅455mm,910mm,1210mm,1820mm,2730mmといった寸法が多く、500mm,1000mmといったメートルを基本として製造されている建材は余り多くありません。

そのため、材料ロスを考えれば、間取りは910mmを基本とするのが一番経済的なために、今では、ほとんどの建物が910mmを基本に考えられています。

しかし、これ以外にも、京間、関西間、九州間、四国間、メートルモジュールなど、異なる寸法で設計されている建物も少ないですが、行われています。

1 0.1 0.01 .
10 1 0.1 0.0166
100 10 1 0.166
600 60 6 1

1尺=30.3cm

用語解説

心々寸法(しんしんすんぽう) 建物の中心となる基準線寸法のこと。
江戸間(えどま) 建物の寸法の取り方で、柱の心心を6尺とするもの。
京間(きょうま) 京都、関西、中国を中心として使用された建物の寸法。1間を6.5尺(195cm)とした寸法。

以前は京間、関西間、九州間、四国間といったモジュールもありましたが、現在では、よほどの地方に行かない限り、柱の間隔は910㎜で設計されている住宅がほとんどです。

軸組の用語

内寸(うちすん) 部材の内側の寸法。
階高(かいだか) 階の高さのことで、たとえば1階の床から2階の床までの高さのこと。
かね 直角の事。「かねのて」とは、直角に事。
その他に「さしがね」「かね尺」「かねをだす」とは、直角を出すという意味。
かね勾配とは、45度の勾配
躯体工事(くたいこうじ) 建物の骨組みの部分の工事で、鉄筋コンクリート造であれば。各階のコンクリートのこと。鉄骨造であれば、鉄骨本体のこと。木造では木造軸組の工事のことを総称して躯体工事という。
けた 柱の上をつなぐ水平材。
剛性床(ごうせいゆか) 構造用合板を 梁、根太などの床を支える部材全てに釘で固定して床をつくる方法で、もっとも変形しにくい床。
仕口(しぐち) 部材を組み合わせる接合部の事。部材をつなぐ「継ぎ手」以外の材料の接合部はすべて「仕口」と言われる。
死節(しにぶし) 木材の節のうち、枯れて固くなった節。抜け落ちると、穴だけが残る。対語は「生き節」
心材(しんざい)
心持ち材(しんもちざい)
木材の樹心に近い部分。樹心を含んだ材
筋交い(すじかい) 木造の軸組工法で建物の変形を防ぐために設けられる部材。
地震や台風などの外力には、筋交いが対抗する。
背割り(せわり) 丸太や心持ち材の仕上げ面に割れが生じるのを防ぐため、事前に材心まで、切り目を入れておくこと。
添え柱(そえばしら) 柱を補強するために設ける柱。
耐力壁(たいりょくかべ) 地震や台風などの外力に対抗できるように構成された壁。
建前(たてまえ)
建て方(たてかた)
現場で部材を組み立てる作業の総称で、木造の場合、土台をセットした後、上棟して行くまでの作業を言う。
鉄骨造でも、鉄骨を組み立てる過程を「建て方」という。
柱脚(ちゅうきゃく) 柱の最下部のことで、柱が受けた力を下の階の梁や柱、基礎に伝達する重要な部分。
対語は、「柱頭(ちゅうとう)・・柱の上の部分
継手(つぎて) 部材同士を継ぎ足す部分の事。木材の継手には、いろいろな加工方法がある。
面(つら) 部材の表面のこと。
・面一・・・つらいち
手元(てもと) 大工や左官などの専門職を持たず、作業の手伝いをする人。一種の見習い工が行っている。小さな工務店では、いろいろな雑用や修理を行う専門の人もいる。
胴差し(どうさし) 木造建物の外壁側で、2階の柱を外壁を支える梁のこと。
胴縁(どうぶち) 仕上げ材を柱などに取り付けるための下地材。
・内部胴縁・サイディングの胴縁
通し柱(とおしばしら) 1階から2階までを1本の木を用いた柱。
取り合い 部材同士が接する部分の状態。「取り合いが良い」などの表現をする。
人工(にんく) 工事を行うに必要な人員の数。
「この仕事には2人工必要」という風に使われる。「この仕事には合計2人分の仕事量がある」という意味。
軒げた(のきげた) 木造の軒を受ける桁部分に使われる部材。
野地板(のじいた) 屋根仕上げの下地にはる板。最近は野地用合板が張られる。
火打土台(ひうちどだい)
火打ばり (ひうちばり)
土台や建物の四隅の変形を防ぐために入れる部材。土台に使われるものが火打土台。2階の床や屋根に使われるものを火打ばりという。
ふかす 構造的、あるいはデザイン的に仕上げを前に出すこと。
防蟻(ぼうぎ) 木造の建物で、シロアリからの被害をふせぐ対策。
ほぞ 木材の接合のために作る突起物。対語は「ほぞ穴」
まぐさ 開口部の上部の荷重を支える部材。対語・窓台
窓台(まどだい) 開口部の下枠を支える部材。
間柱(まばしら) 柱の中間に立てる壁の下地用の小さな柱。
見えがかり 部材の正面。仕上げが見える面のこと。対語・見込み
見込み(みこみ) 部材の奥行くの寸法。対語・見えがかり
見付け(みつけ) 部材の正面から見える寸法の事。
むく 混ざりの無い本物のこと。無垢材や無垢物といった表現を使う。
棟木(むなぎ) 屋根のもっとも頂上にある水平に伸びる部材。
床組(ゆかぐみ) 床を支える骨組みの総称。
床高(ゆかだか) 地盤から1階の床までの高さのこと。
ろく屋根 水平な屋根のこと。

プレカット

柱や梁の仕口や継ぎ手を工場で加工することをプレカットといい、現在では建物のほとんどが「刻み」という大工の手作業ではなく、プレカット工場で加工されている。

現在では、よほどの地方にでも行かない限り、大工が自分で柱や梁の材料を1本、1本加工することはありません。逆に言えば、下の図のような仕口や継ぎ手をきれいに加工出来る大工さんは、非常に少なくなった・・と考えて良いでしょう。

左はプレカットされた木材。右は昔からの梁の継ぎ手のいろいろ。

広告