杭と言うからには杭が堅い地盤に到達して、その地盤の強さで建物を支えている、と考えがちですが、柱状改良杭は、堅い地盤での支持力と同時に、軟弱な地盤の杭の周囲の土との摩擦力の二つで建物を支えています 。
逆に言うと、摩擦力は土の性質によって変化するため、柱状改良杭は杭を設ける地盤の強さによって杭自体の強さも変わってくることになります。
また、軟弱地盤が深くて、杭の先端の地盤が弱くても、意外と軟弱地盤層の杭の周辺摩擦力だけでも強い支持力をすることもあります。
工事中のチェックポイント
柱状改良杭で建物を支えますが、建物は基礎にその重さが伝達されます。
つまり、基礎の立ち上がり部分に杭が来ていなければ効果が下がってしまいます。
そのため、工事中は上図のように、基礎の立ち上がりがある位置から杭が大きくずれていないかどうかがチェックのポイントになります。
養生期間
柱状改良杭は、セメント系固化剤を土に添加しながら土と固化剤を攪拌して杭をつくっていきます。
いわばセメントで固められた土の杭、ということになります。
そのため、セメントが硬化する1週間程度は杭に過度な荷重をかけて杭が固まりきらないうちに壊れないよう、1週間程度の養生期間が必要です。
ただ、捨てコンや配筋などの大型重機が作業をしないような軽微な作業はおこなっても差し支えありません。