暑さに負けない家

今の時代、家を建てる(買う)場所は、通勤、通学の利便性が大きなウエイトを占めます。住宅密集地で風が通らないからといって風通りの良い郊外に移れるわけでもありません。
そうすると建てられる土地柄に応じて建物にちょっとした工夫を加えて、少しでも快適にした方がいいですね。
このページでは、「暑さに負けない」。そのためのちょっとしたポイントを解説しています。

基本は、日射対策です。日なたは暑く、日陰は涼しい自然の摂理を利用しない手はありません。

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平成28年基準は必須。

今の時代、『省エネ住宅』で建てる事は当たり前です。
『断熱に無頓着な人』が、大手ハウスメーカーに頼んで、結果として標準で付いていた省エネ住宅で建てられていたから快適、なんて言うのは結果オーライの不用心な話です。
中小、零細規模の住宅会社では、まだまだ「省エネ住宅」に届かない断熱性能の住宅も建てていますが、断熱性能は建てた後からは変えられません

断熱の要は天井(屋根)断熱。

屋根は、家の中で唯一、四六時中太陽に当てられている場所です。天井(屋根)断熱をしっかりしていなければ、家は暑くて仕方ありません。断熱の要は天井(屋根)断熱です。

住宅の断熱性能は建物トータルで考えて良いので、窓を高性能にすれば、天井断熱材を望ましい厚みの半分程度にすることができます。

特に施工あるいはコストの都合から、外壁の断熱材100㎜と同じ厚みの断熱材を使う場合もよくおこなわれていますが、断熱性能は、単純に断熱材の厚みに比例します
一日中太陽の直射日光に照らされる屋根面(天井面)が外壁と同じ厚みでは、夏暑い住宅になってしまいますよ。

MEMO ~新築時~  省エネ住宅だ。断熱等級は4をクリアしている、と謳われていても、天井の断熱材の厚みが100mm以下の場合は、本来望ましい天井断熱材が半分になっています。その場合は、1.6倍程度の厚みの変更してもらいましょう。
MEMO ~完成後~  住宅完成後に暑いと感じたら、天井内に断熱材を追加で入れるのも一つの断熱補強です。詳しくは「自分で出来る断熱リフォーム」を見てみましょう。

屋根は遮熱系カラーベスト。

 屋根に遮熱塗料を塗ることも、四六時中太陽に当てられている屋根には大変良い方法です。
屋根が瓦の系統であればやむを得ませんが、そうでないのなら、新築住宅では、遮熱塗料を最初から塗ったカラーベスト系屋根材(商品例:遮熱コロニアル)等が販売されています。また、築10年以上経た住宅では、屋根の塗り替え時に遮熱塗料を塗るのも良い選択です。
そのとき、屋根定番の黒っぽい色よりも、白っぽい色の方が遮熱効果は格段に高いです。遮熱効果を考えるなら、白い屋根ですよ。その場合、左の写真のように外壁の色を黒め、派手めの物に変えると白い屋根も引き立つと思います。

窓への対策

直射日光の当たる窓(西日の当たる家、他より突き出た階)

直射日光を浴びるところは暑く、日陰になる壁は涼しい。この大原則は建物も全く同じです。図のような2階建てが並んでいる中でポツンと立つ3階建てや、住宅が並んだ一番端の西日の当たり家などは、つねに太陽が当たり続けます。
そういう四六時中太陽が当たる窓は、すだれやよしず、遮熱カーテン等の基本的な対策が不可欠です

MEMO  3階建てなどは、「3階建て住宅の断熱計画」を参考にしてみましょう。
MEMO  西日対策には、右の写真のような開閉可能なテントも西日対策にはお勧めです。もちろん、すだれ類の使用も安価で便利な方法です。

★バルコニーには日陰を
バルコニーの前には大きな掃き出し窓があります。
そして、バルコニーの床から照り返して窓にて入る日射量にはすごいものがあります。バルコニーの床を暑くしないことが結果として窓際の暑さを防ぎます。難しく考えず、バルコニーには日陰を作れ、日なたとして放置するな!と言うことを考えておきましょう。(注:2階バルコニーも同じです)

MEMO  しっかりした既製品は案外高いですね。その場合はDIYで作ってみましょう。
参考例としては、「パーゴラを作ろう」「簡単なオーニングを作ろう」をご覧ください。

基本は日射対策

現在の省エネルギー基準は、どちらかというと外気温に対してどのような断熱をしていくかが基本です。
しかし、太陽が当たる場所と当たらない場所で暑さが全く異なるように、住宅でもいつも直射日光に当たる部位と、他の建物があるために日陰になる部位とでは、暑さは全く異なります。
省エネ住宅で建てた後の暑さ対策は、『直射日光が当たる部分の対策をどうするか』。つまりは、『日射対策』という点に尽きるでしょう

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