掃き出し窓の防犯対策
このような窓にドロボウが入ろうとすれば、ガラスを大きくたたき割って進入するか、あるいはクレセントと補助キーの2カ所のガラスを壊し、鍵を開けていります。
そのため、対策としては大きくガラスを割られないための対策として防犯ガラスに変える。そして、部分的にガラスを破られても、その数を増やして時間がかかるようにするために補助キーを増やす、ということが考えられています。それが図の□の部分ですが、
1)ガラスを防犯ガラスに変える
防犯ガラスは、シングルガラス、あるいはペアガラスよりも破りにくく、少なくとも体が入るだけの大きな空間を防犯ガラスで開けるのは大変難しいようです。
もちろん、あとで防犯フィルムを貼っても効果は同じです。ただし、防犯フィルムの注意点は、部分的に防犯フィルムを貼っても効果がないそうですよ。
2)戸の先に戸先錠という別の補助キーをつける。
このことで、3カ所のキーを開けなければ窓は開けらられませんし、この戸先錠の取り付け場所は、なかなか外部から死角になっておりはわかりづらく、せっかく苦労して2カ所のキーを開けたのに、窓が開かない・・とドロボウに焦りを誘うところに付けられています。ただし、防犯ガラスが前提ですね。窓ガラスを大きく破られれば、いくらキーが3つあっても同じですから。
3)ダイヤル式クレセントキーに変える
もう一つは、クレセントキーをダイヤル式にする方法があります。普通のレバー式のクレセントではなく、あるダイヤル数字を回さなければ開かないのですから、やっかいです。 しかし、透かせば外部からもダイヤル式とわかるような位置に付いていますから、ダイヤル式が付いているならやめておこう・・といった抑止効果を発揮しそうな対策です。
4)その他
ただ、後者の3つの方法は、家人がその気で戸締まりをしなければ全く効果がない、という生活努力が必要な対策なのですが。。。
さて、こうしてみると手間いらずの防犯ガラスはお金がかかる。お金が少なくて済む補助キーの追加や振動ブザーは、外出するごとにロックをしなければならず手間がかかる。なかなかお金もかからず、楽ちんな防犯対策はなかなかありませんが、皆さんはどう考えますか。
考えれば考えるほど、どこまで対策をすればいいのか悩んでしまいます。
注:キーの対策はメーカーやサッシのシリーズによって、すべて出来るわけではありません。検討する場合は、個々のサッシメーカーに問い合わせてください。
小窓の防犯対策
掃き出し窓や腰窓と言った窓は、前回の対策をする場合が多いですが、小窓はどうでしょうか。
そのまえに・・・
人が侵入出来きない寸法
防犯を考える人達が指定する-人が侵入出来ない窓-とは
・45cmX25cmの矩形の窓
・40cmX35cmの楕円形の窓
・直径35cmの円窓だそうです。
そして、これ以上小さな窓は、普通のドロボウは侵入出来ないだろうと考えられています。
さて、その小窓の対策には、次のようなものが考えられます。
2)面格子を付ける
3)上げ下げ窓であれば、面付錠を追加する(右の写真)
これは、掃き出し窓と同様に、手間をかけさせて入りにくくする事は同じです。
小窓にで入ろうとすれば 1.面格子を破壊する 2.ガラスを破る 3.ロックを外す と言う手順ですから、手間は多いほど諦める。。。
面格子は、普通のアルミの面格子では簡単に破壊されてしまいますから、一番良いのはステンレスなどのより強度の強い面格子、次は防犯部材を主要カ所に使ったアルミ製の面格子、あるいは室内に取り付ける面格子が考えられ、いずれもCPマーク付きのものがベストです。
次にガラスを防犯ガラスに変えればいいのですが、そこまでコストを掛けないなら、面付錠を追加するなど、キーを増やすことで対処しましょう。
玄関ドアの防犯対策
玄関ドアを破る手口
玄関ドアを破る手口はいろいろあります。
・ピッキング・・かぎ穴に特殊な道具を差し込んで開錠する
・カム送り・・・かぎの隙間から針金窓を差し込み開錠する
・かぎ穴壊し・・電動ドリルなどでかぎ穴自体を壊す
・にじり破り・・ドアとドア枠の間にバールなどを差し込んでドアをこじ開ける
・焼き破り・・・鍵のデッドボルト(ロックしたときにドアから枠側に飛び出る部分)自体を焼き切る
対策はCP部品を使え、選べ。
1)シリンダー錠や鍵箱そのものの強化で、上のピッキング、カム送り、鍵穴壊し、焼き破りに対応して、シリンダーや鍵穴そのものを全体として強化している錠と考えればいいでしょう。この対策は、基本的にCP部品マークが入った製品が対応しています。
2)こじ破り対策は、これもドア枠内にこじ破りに耐えられるような強い強度の鋼材を入れてドアを補強します。これもCP部品マークが入った製品が対応しています。 つまり、ドアの場合は、窓のように防犯部品を追加するといった対策ではなく、ドアを選定する最初の段階で、防犯部品を使用したドアを選択する、と言うことが大事になってきます。
防犯の必要な玄関
もっとも、玄関ドアは、そのドアの前で数分以上の立ち作業が必要です。そのため、窓と同じでどのドアでも対策をすればいい・・といったものではないと思います。道路から玄関ドアがよく見えるような場所に玄関ドアが付いていれば、格段の防犯対策も必要ないでしょう。
しかし、道路から玄関ドアが死角になるような場所では、ピッキングはもちろんのこと、にじり破りだって可能ですから、そういう場所の玄関ドアは、多少お金がかかってもCP製品を選んだ方がよいでしょうね。
電気錠
一つ誤解をしてはいけないのは、電気錠です。電気錠は、いろいろなタイプが出回っていますが、基本的にピッキングとカム送りといった錠そのものに対する破壊には、電気錠は鍵そのものが、どうの表面に無いのですから有効ですが、ドア内部に組み込まれた鍵箱そのものを強引に破壊したり、ドアを強引にこじ開けるにじり破りには有効ではありません。そういったメリット、デメリットもよく調べておく必要があります。
勝手口ドアの防犯対策
勝手口は、ほとんどの住宅で奥まった人目に付きにくい場所に設けられています。玄関ドアよりもはるかに防犯対策が必要なドアかも知れませんね。
左の図のように採光換気窓のガラスを破壊して侵入するときの対策として、仮に換気窓のガラスが破られ、ドアのサムターンに手が届いても、そのサムターンのノブを押しながら回さないと廻らない2本の手が必要なタイプのサムターンや、サムターンのノブそのものをキーのように外すことが出来る2つのタイプのサムターンが防犯部品として用意されています。
また、その前に換気窓を破壊されないように、アルミの面格子だけでなく、鉄製のパンチングメタル(穴のたくさん空いた板)を挟み込んでガラスを割られにくくする対策もあります。
勝手口の防犯対策は
1.ガラスを防犯ガラスに変えて、破られにくくする
あるいはアルミ格子ではなく、バンチングタイプの変える
2.万が一ガラスを破られても、サムターンを回しにくくするために、「セキュリティサムターン(上記説明のもの)」に変えておく。 といった対策が必要です。
奥まった所にあり、玄関よりもはるかに目立ちにくい勝手口ドア。玄関ドアよりも侵入手段の多くなる勝手口ドアの対策も忘れないようにしましょう。