木造住宅の基礎では、まず出来る事は少ないのですが、鉄筋コンクリート造などの住宅では、たまに大きなジャンカが出来る事があります。
ジャンカにもレベルがあり、そのレベルによって補修方法も異なってきます。
ジャンカのレベルと補修方法
コンクリートは土木でも建築工事でも使われます。そのため、「日本コンクリート工学協会」というコンクリート専門の学会があり、そこにジャンカのレベルと補修方法が示されています。
Aレベル:コンクリートの表面に砂利が露出していない健全な状態です。
Bレベル:砂利がコンクリート表面に露出しているが、表面の砂利を叩いても剥落しない状態を指します。
Cレベル:砂利が露出して、かつ、叩くと砂利が剥落するものがある状態です。
上の写真のような例は、見ただけではBレベルなのか、Cレベルなのかわかりません。
ジャンカの診断で大事なのは叩いて砂利が剥落するかどうかですね。
私の経験則では、高さ40cm内外の基礎コンクリートに出来るジャンカは、ほとんどがBレベルの状態です。D
Dレベル:叩いていくと鉄筋が露出する状態です。相当深刻度が高いですし、私自身は、今までこのような例は経験した事がありません。
Eレベル:下の表には書いていませんが、叩くと空洞ができ、奥にドンドン入っていく状態です。完全な施工不良です。
補修方法は、住宅の基礎で生じやすいBレベルでは、浮いているような砂利などを斫り取り、あとはポリマーセメントペーストを塗布したあと、断面を埋める目的でポリマーセメントモルタルを塗れば良いです。
注:ポリマーセメントモルタルとは、普通のモルタルでは無く樹脂の入ったコンクリートと同等の強度がでるモルタルです。
ジャンカが生じる理由
コンクリートは砂利と水とセメントが混ざり合ったものです。セメントの比重が一番重いのですが、水と混じり合っているので、結果として砕石が一番重くなっています。また、大きな砕石の方が固まりとしては重いです。
そのため、高いところから打設する必要のある鉄筋コンクリート造の住宅では、生コンがポンプ車のホースから離れたあとで、材料の分離が生じやすくなります。
材料分離を防ぐ打設方法も考えられていますが、注意を怠るとジャンカが出来る場合があります。また、窓の下などコンクリートの回りにくい場所もジャンカの出来やすい場所の一つです。