住まいの建材の中では、たぶんタイルが一番高価な部類のひとつではないでしょうか。
一般的な屋根材のカラーベスト、外壁のサイディング、室内のフローリングなどは、概ね4,000~7,000円/m2程度ですが、タイルの場合は、概ね1万円/m2前後になります。また、下でも説明していますが、役物タイルを使うとグゥーンと総額もアップしていきます。
しかし、予算が無くても印象的な場所に効果的にタイルを使えば、建物の表情も大きく変化していくのもタイルの魅力のひとつでしょう。
下はそうしたタイルの一般的に価格帯です。(平タイルの施工単価の目安・材工共)
タイルの大きさが大きくなるほど、タイルの価格も高くなる事がわかりますね。
役物タイルが決める舞台裏
タイルはどのメーカーのどんなものを選んでも、材料自身の当たりはずれはありません。
しかし、次の点を注意しないと、思わぬ予算オーバーとなったりします。
タイルの役物
タイルは役物といって、下図のようなコーナーの貼るタイルは、平面に貼る場合よりはるかに手間がかかるため、材料費と手間代が余分にかかってきます。
一般に、m2あたりの単価の50%程度の費用が1mあたりにかかりますが、図のような場合は、見た面が20m2でも、実際には下記の工事費がかかります。
役物部分-13m2×4,500円/m=58,500円
合計 238,500円となる。
タイルの貼る場所を考える場合は、いかにコーナーを少なくし、かつ、効果的に見えるかを考えるのも大きなポイントです。
よく、上のようなマンションを見かけますが、これは役物を少なくしようとするローコスト設計から生まれています。
右の写真のように、すべてのコーナーのタイルを止めると、コストはさらに下がります。
マンションの外装を細かく見ると、使っているタイルでグレード感を調整していることがよくわかります。
上の写真は、50角二丁タイルと言われている製品ですが、上の価格帯でわかるように、外装タイルとしてはもっとも安価な部類です。
これがさらに高級感を出そうとすると、小口タイルや二丁掛けタイル、あるいは石張り・・といった順で大きなタイルになり、同時に価格も高くなる代わりに、より高級感も醸し出すことが出来るようになります。