「手抜きが心配!」と考えて、業者に強く言えない人が案外多いですね。
たぶん、日本人の3~4割程度はこのタイプの人では無いかと思っています。この問題は、この章で取り上げている下のテーマと根は同じです。
私から言うと「手抜きが心配」と考える人は、「相手への気兼ねx」とも言えるし、「気遣い」ともいえるし、「波風を立てたくない」性格とも言えます。
そして、これだけ似たようなテーマで書いていると言うことは、それだけ悩んでいる人が多いのでしょうね。
この手の話を良く聞きます。こういう心配を言ってくる人に何人会った事か!!でも、人間って本当にそういう気分だけで仕事をしているのでしょうか?
手抜きは、気質がさせるものです。
私が工事トラブルの仲介に立ったときも、建築主が何か言って、それが相手にとって気に入らないからということで、工事が雑になることは100%ありません。断言できます。
★人はそういうことで手を抜いたり、雑になるのではありません。
もともと雑な人、もともと手抜き仕事をすることしか考えていない人は、どんなに丁重に扱っても、どんなにお金を積んでも、雑なのです。手を抜くのです。
その逆で、ものすごく腕のいい人は、「この仕事は多少手を抜いても良いよ。気楽にしてよ」といっても、絶対に手を抜きません。
★仕事を左右しているのは、いわばその人の「気質」なのです。
ですから、お茶出しをした、しなかった。ご祝儀を渡した、渡さなかった。気分を害するようなことを言ったかな等々は、全く仕事の出来に関係ありません。
私は人より圧倒的にトラブルの場面に立ち会う機会が多いです。
本当に断言できます。人は建築主との人間関係で仕事を左右したりなどしません。
もう一つの手抜きは、雇用関係の関係悪化
逆に・・。
人が人間関係で仕事を左右するのは、建築主との関係では無く、雇用者との関係がぎくしゃくしたときに「手抜き」などが起こります。親方から前の現場の代金をもらっていない。私の社長は人をこき使う等々の不平不満です。
こういう関係で仕事をすると、現場は雑になります。当然ですね。建築主との鬱憤では無く、自分の金銭に直接関係する雇用者に対する鬱憤なのですから。ただ、例としては少ないです。 私も倒産現場に立ち会うことがあります。元請けは倒産して、下請けは代金をもらっていない場合も多いのですが、案外「手抜き工事」などありません。基本的に日本の下請けって、元請けから代金が支払われていなくても、仕事はキチンとしているのですよ。
要は、仕事の手抜きは、あなた(建築主)の態度や言葉から生じるのではなく、職人や業者のもともとの気質から手抜きをする場合がほとんど/strong>で、例外的に雇用主との雇用関係がおかしくなっているときに生じるのです。
だから「手抜きが心配!」など、あなたの全くの取り越し苦労なのです。
手抜きをする気質を持った元請け、あるいは下請けに当たってしまえば別ですが、普通は建築主さんとの関係で、気分を害して手抜きをする・・なんてことはあり得ないのです。 |