見積もり-諸経費って何?

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諸経費とはなんでしょうか。

住宅やリフォームの見積書を初めてもらうと最後に『諸経費』という耳慣れない言葉が飛び込んできて、諸経費一式○○万円という形で、工事費の数パーセントの金額が載っている場合がよくあります。
この諸経費とはなんでしょうか。
この説明は非常に難しく、単純に言えば、今までの慣行上使われていた見積もり明細の項目のひとつ。と考えてください。もちろん、この諸経費は国や地方の公共工事でも、ある一定の率で参入することが認められています。
すべての商行為には利益が入っています。ここで言う利益とは、会社を維持するための経費、粗利益(あらりえき)と言われているものです。
たとえば、家電店でパソコンを買っても、そのパソコンの代金の中には、その店の利益が必ず入っています。右の図のようにパソコンの売値には、そのパソコンを仕入れた原価と人件費や店舗の運営費、配送費用などの利益が含まれています。
また、業種によって、その利益の率は大きく変わっており、損傷の激しい生花店の利益は売値の50%程度と言われています。スーパーや小売店では25%前後、飲食店では40%前後です。
同様に、住宅工事でもその工事費の中に住宅会社の利益が含まれています。これも各社各様で一律ではありませんが、中小企業庁の統計では、工事代金の概ね15~25%前後です。
これも右の図のように、いろいろな工事の原価以外に、その会社を運営するための人件費や通信費、車両費、展示場があればその経費、広告宣伝のための費用といったもろもろの会社の費用が必要です。
また、見積書の提出の仕方も各社各様です。

話を簡単に説明するために、あなたがある部屋の床をフローリングに張り替えようとしたとします。必要な項目は、フローリングの材料費、フローリングを張る大工の手間代、監督の人件費と大きくは3つの項目になります。
このとき、見積書の出し方に注意してみましょう。4つの方法があります。諸経費を計上する方法。計上しない方法。いずれも合計金額は同じですね。
つまり、『諸経費』は、今までの慣例上行われてきた経費(会社の利益)を計上するひとつの方法で、その率は各社各様ですし、決まりもありません。A社のような見積書を書いている会社、D社のような書き方、本当にいろいろです。また、書かれている諸経費が会社の最終利益(経常利益・・本当の儲け)でもありません。
結局、「見積もりの見方」で書いているように、個々の単価は気にするな。見積金額のトータルで考えろ。という理由がうなづけたでしょうか。そして、要望していることが図面や見積書にキッチリと反映されているかどうかがもっとも大切な部分なのです。



本体工事の内訳明細例(木造の場合)

工事種名 工事の内容
仮設工事 足場・養生・仮設トイレ・運搬費・工事中のゴミ処分費など
基礎工事 基礎工事のための掘削・型枠・鉄筋・コンクリートなど
木工事 本体の木部材料や大工手間、内部の造作材など
屋根工事 屋根材の材料・手間
金属工事 樋、屋根の各コーナーの雨押え金物など
金属製建具工事 玄関ドア・アルミサッシなどの金属製の建具の材料と取付費
木製建具工事 室内ドア等の材料と取付費
石・タイル工事 床・壁のタイルや石貼り材料と手間
左官・吹付工事 基礎以外の左官工事や外壁の吹付工事費
塗装工事 内外の塗装を必要とした箇所
内装工事 クロス・カーペットなど、床のフローリングをいれる場合もある
雑工事 手摺・棚・床下収納など
電気工事 コンセント・スイッチ・インターホン・一部照明器具など
給排水衛生工事 給排水の配管と水栓・設備機器類
給湯工事 水栓や配管
ガス工事 場合によっては、付帯工事のなかにいれる場合がある
諸経費 工事をするための会社経費や工事保険代・営業利益など
内訳明細は、どの会社も自社の見積の都合に合わせて工事種名をいろいろに変えているため、かならずしもこのような表現で出てくるとは限りません。
そのため、大規模建築では、発注側が内訳明細の名称と順番を指定して入札をする場合もあるほどです。
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