この章では、「住宅性能表示」制度に関わる住宅性能の数々をご紹介していますが、近年では、これ以外にもいろいろな制度が加わりました。
「長期優良住宅」制度については、前ページで紹介していますが、ここでは「省エネ住宅」の一つの制度として利用が拡大している『ZEH(ゼッチ)住宅』について、その概要を紹介しています。
ZEHとは
ZEHとは、「ゼッチ」と呼び、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことで、
①建物の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、
②高効率な設備システムの導入により、大幅な省エネルギーを実現した上で、
③再生可能エネルギーを導入することにより、
その住宅の年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅の事を言います。
他の制度との関係
・もともとの性能評価
元々あった性能評価は、左の図のような「性能評価制度」です。断熱等級が1~4までありました。
・長期優良住宅は前項でも説明しているように、断熱については、断熱等級4と、一次エネルギー消費量等級4の住宅です。
・低炭素住宅は、断熱等級4と、一次エネルギー消費量等級5の住宅です。
・ZEH住宅は、図のように上の3つの性能基準を一気に超えた省エネ性能が求められています。
性能評価制度、長期優良住宅制度などは、建物の断熱だけに特化した省エネ技法ですが、ZEH住宅は、一次エネルギー消費量のゼロを目標とするなど、非常に高い省エネ性能が求められています。
ZEHの区分と優遇制度
政府は、2030年には、住宅の約半分をZEH住宅にすることを目指して、ZEHにもいろいろなランクを設け、そのランクに応じたいろいろな優遇制度を作っています。
2021年の制度では、最も低いランクの「ZEH住宅」で60万円、最も高い性能の「次世代ZEH+」では、105万円+機器による割増補助金制度など、多様な補助金制度も導入しています。
注:政府が力を入れている制度なので、制度設計も変更されやすいため、ここでは詳しく説明していません。リサーチを試みてください。