土台の水切り忘れずに。
土台は外壁からの雨水の浸透や雨がかりとなったり、シロアリなどの被害にもっともあいやすい部位です。左下の阪神大震災の時の調査でも、土台からシロアリが侵入し、建物を浸食していったり、床下の湿気などから木材が腐朽菌におかされる危険性のもっとも高い部分です。そのため、建物を長期にわたって支える土台には十分な防腐、防蟻の対策が必要となっています。
品確法の等級2と3では、次のように決められています。
□外壁の下端に水切りを設ける。
かつ、下記のいずれか
□土台にK3相当加圧注入によるの防腐、防蟻措置をする
□特定耐久性樹種を使用する。
阪神大震災の実態
阪神大震災で、芦屋市が調べた調査では建物の20%程度にシロアリと木材の腐朽の発生が確認されています。この中で、土台と柱に多いのは、まず土台に発生し、その後柱に被害が広がっていったものと思われます。
水切りの役割
外壁から伝わった雨は下に流れ、かならず土台付近で水を切らなければ、その水は土台の中に侵入し、土台が腐ってしまう危険性が高くなります。外壁からの雨を土台などに侵入しないようにする大切な役目を水切りは持っています。
耐久性の高い樹種として下記のようなものが指定されて、この材料を使うことによって防腐処理などが緩和できる材料です。
耐久性樹種
ヒノキ、ヒバ、米ヒバ、ケヤキ、アピトン、ウェスタンラーチ、ウェスタンレッドシーダー、カプール、カラマツ、クヌギ、クリ、ケンパス、スギ、セランガンバツ、台湾ヒノキ、ダグラスファー、ダフリカカラマツ、タマラック、パシフィックコーストイエローシーダー、米スギ、米桧、米松、ミズナラ
耐久性樹種の中でもさらに強い特定耐久性樹種として土台には下記の材料を指定しています。
特定耐久性樹種(土台用)
ヒノキ、ヒバ、米桧、米スギ、ケヤキ、クリ、米ヒバ、台湾ヒノキ、ウェスタンレッドシーダー 同等材 サワラ、ネズコ、イチイ、カヤ、コウヤマキ、インセンスシーダー、センペルセコイヤ
・建築基準法では、水切りの規定はありません。土台は防腐、防蟻のための有効な措置が必要と書かれています。ただし、明確な仕様は規定されていません。