敷地に高低差がある場合は、何らかの方法で敷地を水平にしたり、あるいは土砂が流れないようにしなければなりません。このような場面で用いるものをよう壁といい、その種類は下に記載しているように、いろいろな種類が存在しています。
よう壁の種類
よう壁には大きく分けて、コンクリートのよう壁と石などで作られた石積みよう壁があります。
石積みよう壁
城の石垣に代表されるように、石を積み上げたよう壁で、間知石積みや同様の形をしたブロックで代用される場合もあります。高さ5m程度のよう壁まで可能です。
少し傾斜を付ける必要があるため、敷地が目一杯まで使えないという欠点があります。
別の構造体で柱を建て、敷地を目一杯使っている事例も古い造成地では見かけますが、現在では法的に構造審査を通すのが難しいでしょうね。
無筋コンクリート重力式よう壁
鉄筋の入っていないコンクリートの重さだけで作られたよう壁。
高さ2m程度まで出来ますが、ほとんどは数十センチから1m程度の低いよう壁が多い。
鉄筋コンクリートL型よう壁
もっとも多用されている鉄筋コンクリート造のよう壁。
高さは、5m程度まで可能です。
くずれ石積みよう壁
石の重量で支える方法で、2~3m程度のよう壁に利用されています。考え方は、重力式よう壁と同じです。費用がかかるため、昔の造成地では多く見られましたが、今では、鉄筋コンクリートのL型よう壁がほとんどです。
よう壁は何を受け持つ?
そのため、よう壁を作る場合は定められた構造計算によって、よう壁の寸法や鉄筋の量を計算するか、あるいは役所が決めている寸法や鉄筋の本数を守って作る必要があります。
よう壁の法規
よう壁にも一定の法律が存在しています。
宅地造成規制区域
役所にいけば規制区域を知ることができ、土地売買の場合は、重要事項説明書にも記載されます。
一般の地域
宅地造成のよう壁
宅地造成を行うばあいにも、開発許可という手続きの中で、構造・法規のチェックが行われます。この場合は、宅地造成全体で検査が行われ、造成地全体に対して、検査済み書といった書類が交付され、よう壁の安全性が確保される仕組みになっています。
除外されるよう壁
2m以下のよう壁
よう壁であっても、高さ2m以下の低いよう壁は申請の対象外です。
そのため、時として構造的な検討を行わないで危険なよう壁が作られる場合があります。