新設よう壁のポイント

前項で紹介しているように、宅地造成規制区域以外の地域では、2m以下のよう壁は申請が必要ありません。そのため、適当に作ればいいと思っているのかどうかわかりませんが、住宅用地では新しく造るよう壁でも非常に危険なよう壁を目にすることがあります。

特に1m程度の高低差の場合は、よう壁を安易に造ってしまう場合があり、将来、よう壁が傾いてきたり、よう壁自身が滑って動き、建物の不同沈下の原因となったりする場合があります。以下のような状態で工事をしていれば、危険性の高いよう壁の可能性があります。

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ブロック積みのよう壁

基本的にブロックで作られたよう壁は、よう壁としての用をなしません。

唯一の例外は国土交通省で認定されたよう壁専用のブロックを使用する場合ですが、この場合でも、鉄筋の量は下の項で説明している程度の鉄筋が入っており、同時に底版の長さも道程度々あること、そして、ブロックの中は全てコンクリートが充填されていることが大前提です。

建物の基礎に杭が用いられている場合は、×の状態でも構いません。
ただし、×の状態で表層改良や地盤改良材を入れて、土を強くしても意味がありません。

行政によっては、30度の角度が45度でもかまわない。という地域もあリます。
また、2段または3段のブロック積み擁壁は認める、としている地域もあります。

地形、地質は地域特有の様相がありますから、地域の行政に確認をしてください。

鉄筋コンクリートのよう壁

これは、工事中でないとわかりませんが、コンクリートよう壁の場合、極端に鉄筋が少ないのも危険なよう壁です。

実際には、土の性質によっても変わってきますが、一つの目安として考えて下さい。
ただし、これ以下の鉄筋の間隔や底版の幅となっている場合は、建築会社に、なぜ、そうしたのかの根拠を尋ねて下さい。

これ以外には、1m程度の高低差がある場合には、最初からL型に加工された既製品の「プレキャストコンクリートよう壁」というものがあります。このような製品を使う場合は、安全です。

手抜きは、鉄筋量と底版幅でわかる。
ブロック積みは、よう壁ではない。
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