建物が傾くとどう感じる?

建物が不同沈下を起こすとどう感じるのでしょうか。
こればかりは経験しないとなかなか分からないことですが、下にその目安を書いています。
といっても建築学会などの資料からの引用ですが、なかなかあっていますよ。

床の傾斜と、そのときの感じ方、そして、一番右欄に住宅紛争があったときの瑕疵判断を示した法律の見解を書いています。
1m=1,000mmですから、3/1000の勾配とは、1mのテーブルが3mm傾いているという状態です。

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3/1000

まず感じない

3/1000程度では人間は何も感じません。

4/1000~5/1000

敏感な人で気づくが、建具の調子がおかしいと誤解する

4/1000で不具合に気づく・・と書いていますが、よほど敏感な人でないと気づきません。
5/1000で不同沈下を意識する・・と書かれていますが、この時点では不同沈下という疑問は、実はほとんどの人が持ちません。

「なにかドアの開閉がかたくなったなぁ。」という感覚で建具の動作不良を疑い、建物としての不同沈下を疑うまでにはいたりません。
そして、水準器でキチンと計測すれば、傾いていたことが分かる・・という程度です。

これは、傾斜がじわじわと進行するために、体が慣れるんでしょうね。また、異変としての不具合がドアや窓の開閉ぐらいにしか現れないために、生活そのものに大きな支障は見あたりません。だから、建物の異変に気づかず、建具の調子が悪くなった、と最初は考えます。

そのため、建具をなおしてみてもうまく直らないので、床の傾斜を計測してみたら床が傾いていた、ということをそのとき初めて知る場合が多いです。

6/1000

多くの人が異変を感じる

6/1000になると、ほとんどの人が、「ドアの調子がおかしいのではなく、建物がなにかおかしいのでは・・」と感じはじめます。

8/1000以上

すべての人が気づく

8/1000になると、ドアが勝手に動くので、もはや誰でも異変に気づきます。
17/1000になると、生理的限界と書かれています。

このレベルの家に伺ったことがありますが、とても生活できません。その床に立っていると1分もしないうちに平衡感覚がおかしくなり、階段も壁に手をついていないと移動できなくなります。

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