一時大きく話題になった液状化現象。
そもそも、どうして液状化が起こるのでしょうか。
それは、下の3つの条件が重なったときにのみ発生する、いわば『時限爆弾ならぬ仕掛け爆弾』のようなものなのです。
液状化の3条件
砂質地盤であること
液状化は「砂地盤」に対してのみ発生します。特に均質な砂地盤にリスクが高く、いわゆる埋立地が該当します。
それは、埋立地の土砂のほとんどは粘土質をたっぷり含んだ土ではなく、砂を使う場合がほとんどだからです。
注:埋立地の土砂の多くは、山を削って取り出されますが、大きな大きな岩ばかりだと埋め立てても隙間が多くて、後で土砂の陥没原因にもなりやすく、均一に埋め立てられる砂質系の土砂が多く使われます。
水を含んでいること
地面の下には必ず水がたまっています。
ただ、この水は地下水と言われるほどたっぷり貯まった水という意味では無く、非常に湿り気の多い状態と考えた方が良いでしょう。しっとりした感じという表現がぴったりかもしれません。
そして、この水分が地表面に近いほど、液状化は起こりやすくなります。
また、この常水面の位置は、その地域によって千差万別です。
注:このような水分が常時介在している高さを地面の中のことですが、「常水面」と呼んでいます。
大きな地震があること
最大震度で、震度5程度の地震で液状化が起こったという話はあまり聞きませんが、最大震度が7や6程度になる、言い換えれば建物被害があちこちで発生するレベルの地震が起こったときに液状化は起こります。
注:言い換えれば、大きな地震が無ければ液状化は起こらない。
しかし、最大震度が6以上の場合は、浦安市のように、その地域の震度が6以下であっても、液状化は起こる。といったことから、震度については学術的統計はありませんが、最大震度が震度5程度の地震で液状化が話題になることはありませんので、このように考えて差し支えないのではないかと思います。
3つの条件が揃わない限り発生しない
液状化の大事なポイントは、この3つが揃わない限り起こらないということなのです。
これが、他の地盤関係のトラブルと決定的にちがうところです。