家をこれから買おう。あるいは建てようとするとその価格が気になりますね。巷では、坪28.7万円からの住宅・・という広告が躍っていたり、あるいは、坪80万円もするそうよ。と、いくら住宅雑誌を眺めてみたところで的は絞れません。
しかし、その地域の建物の相場を知る大きな手がかりが折り込みチラシにあります。
その前に、
|
|
●価格設定はターゲット次第
住宅に限らず、どんな業界であれ、その価格設定は顧客層(ターゲット)を抜きにして決めることは出来ません。
住宅も同様で、特に注文住宅では、ハウスメーカーが設定したターゲットによって、住宅価格も大きく異なっています。
・ブランド路線のハウスメーカー
どちらかと言えば、ヘーベルハウスやスウェーデンハウス等がそうですが、高級路線を走り、「うちは高いですよ〜」と居並ぶ顧客の選別をハウスメーカー自ら行っているところがありますし、大手ハウスメーカー系などはその傾向が強いですね。坪単価75万円、80万円程度は当たり前という高価格路線が多いです。別の名を借りれば、高付加価値、高サービスの「プレミアム系」とでも言えばいいでしょうか。そういう価格帯を好む顧客層をターゲットにした販売戦略を立てています。
・ローコスト系
ローコスト系ハウスメーカーは、「1000万円で家造り」なんていうキャッチフレーズで安さを求める顧客をターゲットにしています。でもこの広告も食わせ物で、建物本体だけの価格であるため、実際に済むための外部給排水設備工事などを加味すると、実質的価格はもっと上がっていきます。
以前は、坪単価の安さを競う広告が多かったように思いますが、最近は「トータル1000万円で」など、トータル金額での訴求広告が多くなっていますね。
・ブランド路線メーカーの低価格路線
また、最近の価格の二極化で上で言うブランド、プレミアム系のハウスメーカーも低価格帯の商品を提供し始めています。
あくまでも高付加価値・高価格帯の商品に手が届かない顧客のため、少し値段を下げた商品展開が中心です。価格で言うと10〜15万円程度ダウンの60万円/坪程度の価格帯が多いです。

●建売系がもっとも平均相場に近い
そんな中、もっともその地域の標準的な建物相場に使いのが、「建築条件付き」のチラシに載っている建物価格です。上の図で言う「建売系」の建物です。
間取りも決まっている建売・分譲住宅の場合は、土地と建物のトータル価格でしか載っていないため、建物の価格を広告で知ることは出来ませんが、「フリープラン、セット価格」などで表現される「建築条件付き」の建物の場合は、土地と建物の価格が別々に書かれているため、建物の価格を知る手がかりになります。
また、建売系なので、特別に追加工事を依頼しなくても、そのまま使える状態での価格設定をしているところがほとんどですから、後は諸費用を予算化しておけばおおよその費用を割り出すことが出来ます。
また、これらを販売している不動産会社や分譲専門の住宅会社も、お互いのチラシを参考に建物価格を考えています、他社と大きく外れた建物価格を出している広告はまずありません。
つまり、「建築条件付き」の建物の価格が、その地域の建物価格の平均像に最も近い・・・と考えればよいでしょう。
|