ガルバニューム鋼板

ガルバニューム鋼板は耐候性が高くよく使われている屋根材であり、外壁材です。
でも鋼板自体は耐候性は高いのですが、メンテナンス不要ではありません。

自動車と同じと考えれば良く、表面塗装が劣化し始めると、まず、塗装の光沢が無くなり、次に塗装の表面そのものに傷みが目立ち始めます。それを放置しておくと、塗装の膜そのものが無くなり、その下の鋼板自体に腐蝕が始まり、鋼板にサビが発生する原因となります。

Sponsored Link

メリット・デメリット

メリット1:軽い(耐震に有利)

タイルやモルタル、サイディング外装材に比べて非常に軽く(1/5から1/3程度軽い)、建物の重さを軽く出来るので地震などには有効です。
(同じ震度でも、軽い建物ほど受ける地震力は低くなるためです)

メリット2:高耐久(材料的には長持ち)

寿命が長いです。表面塗装も工場塗装なのでメンテサイクルも長くてよく、シーリング箇所も少ないので、シーリングのメンテもあまり考えなくて済みます。
メンテにかかるトータルコストが低い材料です。

デメリット1:真夏の表面は非常に熱い

熱いと書くと少し語弊がありますが、真夏の自動車のボンネット同様に、炎天下の鋼板外壁は非常に暑いです。
外壁がタイルやモルタル、サイディングなどと比べても熱くなります。

そのため外壁には、しっかりした断熱が必要です。

デメリット2:デザイン性に賛否

見た目の好き嫌いがはっきり出る材料です。モダンとも言えるし、昔のトタンの代わりだ、とも言えます。
ただ最近では、下左図のような縦・横のラインだけで無く木目調や石柄調などデザイン性も向上しています。

メンテナンス

メーカー推奨のメンテ時期

一般的には、フッ素樹脂系塗料の場合は15年程度から、シリコンなどの一般的な塗料では10年から再塗装を検討すべきとメーカーは推奨しているように、塗装の劣化による再塗装が必要です。

実際の時期

モルタル外壁などのように現場塗装では無く、自動車のように工場での塗装なので現場塗装よりも品質管理が徹底でき、長持ちしますから、15年、10年というサイクルよりももっと長い時間メンテをしなくても良い時間が取れます。
メーカー推奨の1.5~長くて2倍程度は大丈夫かも知りません。

また、シーリングも使用しますが、窯業系サイディングのように、隙間を空けてシーリングをし、シーリングが切れれば、裏側に水が入る方法では無いので、シーリングの劣化も多少大目に見れます。

そういう意味では、その分だけお得とも言えますね。

意外な伏兵・サビ

他の外壁建材に無い特徴は、ガルバニューム鋼板の場合、もらいサビや異種金属と触れることによる腐蝕(電食)が起こることがあります。いわば伏兵です。あるいはちょっとしてピンホール、切り口から腐蝕が始まることもあります。

もらいサビとは、ガルバニューム鋼板の表面などに異種金属の粉が落ちる。それが錆びてガルバニュームの表面に付着し、ガルバニューム鋼板自体にサビを発生させます。あるいは、ガルバニューム鋼板の切り口がそのままだと、切り口からサビを誘発します。

いわば伏兵に合いやすい材料とも言えます。

業者選びの注意点

サイディングやガルバニューム鋼板を外壁使用する場合は、「通気工法」としなければならないのですが、「通気工法」をキチンとつくらずに施工してしまう施工者が非常に多いです。そのため、場合によっては壁内で結露が発生することがあります。

その理由は、ガルバニューム鋼板そのものは「板金屋」という職種が行うものの、「通気工法」をキチンと理解していない業者も多いためです。

Sponsored Link

Sponsored Link