住宅で、もはや定番となったフローリング。カーペットに比べても、ダニや埃の発生は格段に少ないのも事実です。
いろいろサンプルを見ても、微妙に質感も、価格も違うし、どれを選んだらよいかわからない。
えっ。そのフローリングを選ぶと追加工事になるの?等々 そんな疑問にお答えします。
フローリング製法の違い
フローリングの価格は、大きく次の3つの材料の構成によって異なってきます。
選択基準は、メンテナンス性を重視するか、より本物の質感を求めるかで、WPCや単板張りフローリング、あるいは無垢材を選ぶ基準になるでしょう。
名称 | WPC床材 | 単板を張った床材 | 本物の無垢材 |
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製法 | 下地合板に、薄くスライスした単板にプラスチックを充填したもの | 下地合板に、0.3~2mm程度にスライスした本物の木を張っています。 | 厚みのすべてが本物の木です。 |
図 | |||
特徴 | 丈夫な分だけ、単板張りのフローリングより少し高め。 質感ではなく、丈夫さやメンテナンス性を考えるなら、このタイプ。 | 木の質感が現れてくる。 無垢材までは・・・という人にはお勧め。 | 乾燥度合いによって、反り、ねじれ等が生じる。 日頃のメンテナンスが重要。 |
メンテナンス性 | |||
木の質感 | |||
名称 | ナラ・サクラなどの木材固有の名称ではなく、ナチュラルライト・ライトブラウン・ダークブロンズなどの表現になっている。 | ナラ・ブナ・サクラなど、木材固有の名称で表されている。 | ナラ・ブナ・サクラなど、木材固有の名称で表されている。 |
価格差の理由 | 価格の差は、床のデザインの差。(寄せ木や雁行タイプなどは高くなる) | 単板の厚みや張り方のデザインによって変化。 表面塗装の種類によっても、変化する。 | 材木自体の流通価値によって価格が異なる。 |
注)価格は、24,000円/m2~7,000円/m2まで、幅広くあります。
用語解説
単板 | たんぱん。 本物の木を薄くスライスしたもの。 一般に1.0mm以下を薄単板、1.0mm以上にスライスしたものを厚単板という。 |
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WPC | WPC=ウッド・プラスチック・コンビネーションの略。 0.6mm程度に薄くスライスした単板に、プラスチック樹脂を注入したもの。 耐摩耗性に優れ、傷が付きにくい。寸法安定性・強度はよくなる。 木材の質感は失われる。 |
無垢材 | 乾燥状態が悪いと、反り、曲がり、割が生じる。 調湿作用がある。室全体として、調湿や結露防止が重要。 ワックスは、せっかく自然素材を使ったのだから、やっぱり自然塗料がベスト。 |
合板 | WPCや単板を張るフローリングの下地は、合板(ベニヤ)が主流。 マンションの直張り用では、MDFという材料も使われる。 |
その他のフローリング
製品 | 特徴 |
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高摩耗製品 | WPC系の景品であるが、より、耐摩耗性を固めた製品。 |
床暖房対応製品 | フローリングそのものに電気式床暖房を装置したもの。 あるいは、床暖房設備の上に張る専用フローリングも出ている。 |
遮音フローリング | マンションでは、遮音フローリングは一般的だが、戸建て用でも、フローリングの下地の中に遮音材を入れた製品がある。 |
マンション用フローリング | マンション用は、特に遮音を気にしなければならないため、浮き床、直張りに関わらず、マンション専用品を使用する。 自宅マンションをリフォームする場合は、マンション専用品から選択する必要がある。 |
抗菌・防かび加工 | 表面処理を抗菌・防かび加工したものも発売されている。 |
現物サンプルで選ぼう
フローリングには実にいろいろなタイプといろいろな価格帯があります。また、質感や表面強度は実物をみて、さわらないとわかりません。
フローリングを決めるときは、必ず現物サンプルを確認しましょう。
私たちは、その製品の傷の付きやすさを計るために、自動車のキー等でゴシゴシ傷を付けます。
現物サンプルは、建材メーカーが無料で各建築会社に配りますので、遠慮せず、さわったり、傷つけたりして確かめてみてください。
傷ついたサンプルは建材メーカーに言えば、すぐ新しいサンプルが建築会社に届きます。
「見てるだけ・・・・」という住宅会社はダメですよ。
(建材メーカーさん、よけいなことを言ってゴメンナサイ)
目地の話
フローリングには目地があるモノとないものがあります。
フローリングはカーペットと比べて、ハウスダストやダニなどの発生率は、150分の1程度にまで低減されますが、でも目地があると目地の部分に埃がつきやすいですね。
どちらを選ぶかは、生活スタイル次第ですよ。
ワックス・色やけについて
ワックス掛け
WPC系・単板張り・無垢。それぞれに応じたワックス掛けは必要なことです。
年1回を目安に、無垢材であれば頻度を多く、WPC系であれば頻度を少なく、がワックス掛けの目安ですが、通行量の多いところほど汚れ・傷は付きやすくなります。
ご自身の生活スタイルに合わせて、適切なワックス掛けは、フローリングをきれいで長持ちさせる大切なメンテナンスです。
と書きつつ、あまり神経質にならないように。
でも、しみこんでしまった汚れは、非常に落ちにくいのも事実です。
どこで折り合いを付けるかは、あなたのお掃除好き度バロメーターで判断してください。
こんな事を書きつつ、筆者である私は今まで一度もワックス掛けをしたことがありません。・・・家具の移動のあり、大変だ!邪魔くさい~!!
なので、築20年のフローリングの上はかさついていますね。
色やけ
長年の間に色やけが起こるのは宿命です。
時々家具を移動するなど、日のよく当たる部屋では、そのようなチェックも必要です。
フローリングとピース敷きカーペット
やっぱり日本人は、地べたで寝っころがりたい。
そんなとき、ピース敷きの小振りなカーペットを用意しておくと、夏は涼しい籐のカーペット、冬はシャギーカーペットと取り替えもでき、片づけも簡単で、収納も場所をとりません 。
また、カーペットが汚れても、浴室でもみ洗いが出来、日影干しも可能なため便利なインテリア用品です。