この暑さ、いつまで続くだろう。
今年だけの異常気象だろうか。
夏になるといつも思います。さて、そんなもやもやもを一気に吹っ飛ぶ現実のデータ。
いえいえ、そんな生やさしいものではありません。
驚愕のデータをご紹介しましょう。
下の表は、気象庁が気温データを取り始めた1876年(明治9年)から2020年までの年ごとの気温データです。。
東京は、1876年(明治9年)から、大阪と名古屋市は、開始年が少し遅くなっています。
データは、毎年の8月の最低気温の平均値を左から、東京、大阪、名古屋と並べています。そして、右側は2月の最低気温の平均です。
注:最低気温の平均値とは、8月の31日間。2月の28日間のそれぞれの日ごとの最低気温をその月の日数で割った月としての平均値のことです。簡単に言えば最低気温が25℃を超える月は、少なくともその月の半分以上の日は熱帯夜だったと考えればわかりやすいですね。
また、わかりやすくするために
8月のデータは
25℃以上の年は橙色
25~23℃の年は水色
23℃以下の年は青色で示しています。
2月のデータは
3℃以上の年は黄色
3~0℃の年は水色
0℃以下の年は青色で示しています。
さらに。○回と書いているのは、8月の場合は、10年間で25℃以上あった年の回数。
たとえば、その10年間に25℃以上の年が5年あれば5回と書き、 2月は3℃以上となった年の回数を10年当たり何年(何回)あったかをそれぞれ書いています。
顕著な気温上昇
この表からわかることは、東京では8月の平均の最低気温が25℃以上の熱帯夜となった年が、1970年代で2回、1980年代も2回、そして、以降4回、3回となっています。2010年~2020年は5回に増えています。
大阪は東京よりも早く、25℃以上の年は1950年代から始まっており、2000年代にはその回数は10年のうちの9年。2010年代は10回に増えています。
名古屋も1990年代から始まっています。
そして、東京、大阪の回数を見れば、明らかに回数が増える傾向にあるのがわかりますね。
なぜ最低気温を見たのか
気温上昇であれば、最高気温がどう高くなっていったのかを見るのも一つの方法ですし、平均気温がどう推移していったのかを見るのも一つの方法ですが、ここでは逆説的に、暑い月の、あるいは寒い月の最低気温がどう上がっていったかを調べています。
都市と地方の差はない
上は、東京・大阪・名古屋のいわゆる三大都市だけのデータです。
では、これがいわゆる都市化によるヒートアイランド現象で、都市部だけが特に気温上昇しているのだろうか、地方都市はどうだろうか。気になりますね。
1920~1929年 VS 2000~2009年の比較
下のデータは、2000年から2009年までの10年間の平均値と1920年から1929年までの10年間の平均値を比較しました。(80年の差があります) 比較対象は、8月の最高気温。8月の最低気温。そして、2月の最低気温です。つまり、夏と冬ですね。○の中の数値は、温度差、つまり比較した80年間に上昇した気温です。
見ればわかりますが
②夏よりも、冬の最低気温の上昇が顕著です。
③夏でも、最高気温の上昇よりも、最低気温の上昇の方が顕著です。
2000~2009年 VS 2010~2019年の比較
さらに直近のデータも比較してみました。
下の図は、2000~2009年の10年間と、2010~2019年の10年間を比較したものです。
つまり、21世紀にはなってからの状態です。
気温が上昇していれば赤字、下降していれば青字です。
確かに、下降している都市もありますが、多くの都市が気温上昇しています。
将来は・・・・。
では、
これからさらに20年経ってどうなっているのでしょうか。地球温暖化が叫ばれて久しく、政府は脱炭素に躍起になっています。
そのおかげか、現在では省エネ住宅(断熱等級4を満たす住宅、以前の高断熱高気密住宅、あるいは一昔前次世代省エネルギー住宅といわれた住宅)は、全住宅の6割を占めるようになりました。
高性能な省エネ住宅を求める。
それは、脱炭素社会などと言う政府のお題目など関係なく、自分たちが快適に過ごすための時代の必然では無いでしょうか。