マンションに住む人へ
サポートサービスを依頼された方の住所を見ているとマンションと思われるような方が、全体の6割程度を占めています。もちろん、マンションなのか、昔の団地なのか、はたまたいわゆる賃貸アパートなのか、ご住所だけではわかりませんが、それでも今現在満マンションに住んでいて、戸建て住宅に変わろうとしている方は多いでしょうね。
このページは、そんなマンション住まいの人が住宅を考える際に気をつけておくべき事柄のお話です。
戸建て住宅、マンションをQ値計算をして見ると・・
マンションは気密性が高く、暖かいし、エアコンも良く聞くと言われています。本当にそうなのか、こちらで3つの住宅モデルと一般的なマンションの断熱性能をQ値計算という方法で計算してみました。
比較したのは
・戸建て住宅では、新省エネという断熱基準で建てた住宅(40年前の基準です)
・標準的な仕様で建てた建売住宅の家(30年前の基準です)
次世代省エネルギー仕様で建てた住宅の3つです。
(20年前の基準ですが、今の省エネ法とほぼ同等の断熱性能を持っています)
そうすると、マンションの真ん中の住戸は、戸建てのすべての住宅、もちろん「住宅エコポイント」の使える「次世代省エネルギー」よりも断熱性能は高くなったのです。
その理由は何でしょうか。非常に簡単な理由なのですが、2つの要素です。
それは、太陽にさらされている面の数と気密性です。
マンションは構造的に快適になる仕組み
下の図を見れば一目瞭然ですが、マンションはいわば「密集体形」とも言うべきもので、このような並び方では、一番外側に並んだ人は風が吹けば寒いですが、真ん中にいる人は、風など感じません。 反対に戸建てのように「分散体形」で人が並ぶと、風が吹けばみんな寒いです。
では、部屋の暑さ、寒さに大きな影響を与える太陽を考えるとどうでしょうか。
戸建て住宅は否が応でも、四六時中太陽が当たります。
でも、マンションに太陽が上あるいは横から当たるのは、最上階の人と両翼の人だけです。それ以外の人は、バルコニーと玄関以外は太陽も風も受けません。
つまり、戸建て住宅は、その6面-床、外壁の4面、屋根-全てが太陽や外気にさらされているのに、マンションの、特に中央の住戸は、たった2面なのです。
そして、上下左右の住戸が季節に応じて同じように冷暖房をかけていれば、そこからの熱の伝わりはありません。 上下左右から熱の伝わりがなければ、バルコニー側と玄関側の外気に接したところだけから、熱が伝わってくるだけなのです。
6面 VS 2面では、どう転んでもマンション(中住戸)の勝ちですね。
マンションは、このような理由から中央住戸に済む限り、構造上の特性から『何もしなくても快適』です。戸建て住宅もそうなんだと思ってしまうと、それは大間違い。戸建て住宅では断熱に気を使わないといけない。
同年代に建てられた建物を比較したとして、マンションと同じ断熱上の快適性を確保しようとすると、戸建て住宅では、「次世代省エネルギー」レベルの断熱性能を持っていないとなかなか太刀打ちできないでしょうね。
気密性の違いもよく言われることですが、なによりも、太陽と外気の当たり方が全く違うのです。
日当たりが悪くて寒い賃貸マンション、あるいは公団や古い社宅などマンションでも断熱材そのものが入っていなかったり、薄くしか入っていないマンションは結露が悩みの種、というマンションも多いですが、マンションそのもののもつ特性は上のようなことなのです。
つまり・・・・・
戸建て住宅で、分譲マンションの中住戸レベルの断熱快適性を期待するのなら、少なくとも戸建て住宅で言うもっとも高断熱なレベルの断熱性能は必須なのですょ。