断熱、結露ミニ知識-上手なエアコンの使い方

住宅を建てるために、ほとんど人は生活に無駄がないように節約生活を心がけることが多いでしょうね。
無駄な電気をつけない!
次の新居のトイレは節水型だ!
・・・
等々考えながら生活してしますね。
そして、ついついエアコンはこまめにON-OFFをつける習慣がすっかり身に付いてしまったでしょうか??

でも、本当は頻繁に入り切りする方がかえって不快で、無駄な努力をしている場合があるのです。

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我が家の事例

我が家は断熱性能はランク2の低い方の断熱性能しか持ち合わせていない住宅ですが、以前、熱帯夜が続き、うんざりするほど暑い夏が続いた年がありました。
そのとき、えぃ~。電気代なんかどうにでもなれ!と言う気持ちでエアコンを数日以上24時間ノンストップで運転したことがありますが、不思議と電気代はかかりませんでした。
それ以来、エアコンをつけ放すことを苦にしなくなりました。さて、その理由は・・・・・

壁の温度に注目

エアコンの温度を使おうと思ったとき、ついつい外気温や室内の温度だけに目を奪われがちですが、実はこのとき、もっとも注目すべき場所は、室温だけではありません。室内の壁の温度も大事な要素なのです。
なぜかというと人間の体感温度を決めるのは、室温だと思っていたら大間違い。それ以外に湿度と壁など材料の持っている熱が大きく作用しているからです。
熱帯夜がなぜ暑いのか。文字通り熱帯の気象条件、つまり、高温多湿だからですね。ハワイに行かれた方は実感出来ることですが、同じ外気温でも、湿度の高い低いだけで蒸し暑さは全く違ってきます。
しかし、湿度まではなかなかコントロール出来ませんから、このページのテーマは壁の温度にあります。

壁を暖めない。

壁の温度。というとピンと来ませんが、真夏に朝出かけていってしまった寝室に夕方に入壁を暖めない、とるとムッとしていることがよくありますね。
そのとき、手で壁を触れば、ほんのりと暖かくなっていませんか?
そうなんです。断熱性能が低ければ低いほど、もちろん、断熱性能が高くても、太陽が降り注ぐ外壁面は、何時知らず太陽の熱で内壁まで暖められているのです
そして、暖められた壁は、壁そのものが熱を室内に放出しています。そのため、エアコンは、室内の暖まった温度を冷やすと同時に、壁から放出される熱も冷やさなければならないし、壁自体を冷やす必要があります。壁自体が冷えない限りいつまでたっても壁から熱を出し続けることになりますね。
つまり、室温20度に冷やそうとしたとき、その時の室温が33℃で壁の温度が20度であれば、室内の空気だけを冷やせばいいのですが、壁の温度が25度になっていると、壁から出てくる熱と壁自体もあわせて冷やさなければならないため、余分にエアコンを廻さなければならないのです。

では、本題の「上手なエアコンの使い方」を説明しましょう。

それは、一言で言えば、『電気代を怖がらずに、まずはやってみよう!』の一言に尽きます。

我が家の事例詳細

我が家は床の断熱材ほとんど無し。壁はグラスウール50mm、天井はグラスウール100mmの今で言う、省エネルギーレベルを少し下回るレベルです。

その低いレベルの断熱性能でも、暑い時期が続くときは24時間運転をしています。それでも一夏の電気代のアップは数千円程度ですから、次世代省エネルギーレベルの高い断熱性能なら、24時間エアコンと言っても、そんなに電気代が上がるわけではありません。

注:家族構成、断熱のレベル、使用時間、その年の気候によって変化しますので、あくまでも目安ですが。。

壁を暖めない-対策

では、壁を温めない対策は何でしょうか。
これは、建物を建てるときにしか根本的な対策は出来ませんが、壁の断熱材を厚くする以外にはありませんね。建てるときにしか出来ないことですから、西日が当たる壁などは、ぜひ、断熱材を厚くするといった対策が必要ですね。

少しの外出ならエアコンは切るな!

人間一度身に付いた『貧乏性(失礼!!)』なかなか直りませんが、買い物程度の外出でも、エアコンを止めて出て行くと真夏では内壁が暑くなってしまう場合があります。

自動車もエアコンも同じですが、もっともエネルギーが必要なとき=燃費が悪くなるときは、平坦な道ではなく、上り坂ですね。上の例のように、室温を冷やすだけでなく、壁から放出される熱を冷やすときは、よりきつい上り坂を走っているのと同じで、フル運転が必要です。その時の燃費がもっとも悪いのです。

この理屈は、アクセルを踏んだり、ブレーキをかけたりが頻繁に繰り返される市街地走行の燃費よりも、連続した高速運転の方が燃費が少ないのと全く同じことです

隣の部屋も運転せよ!

右の図のような間取りの場合、ついつい使っていない隣の部屋はエアコンをつけない方が節約できる、と考えている人の方が多いと思いますが、本当は、隣の部屋もエアコンを掛けた方が、安定した室温になり、また、エアコンの過運転も少なくてすみ、結果として電気代はかかりません
この時、使っていない隣の部屋のエアコンは、それ以上室温や壁の表面温度を上げない事が目的ですから、主室と同じような室温設定にする必要はなく、そのエアコンの設定できる最高温度に設定し(たとえば30度)、風量も微弱運転をしておきます。つまり、エアコンが運転しているのかしていないのか分からない程度の運転です。この時決して、主室と同じ室温にしなければならないと考える必要はありません。もっと高い室温で十分です。
この理屈は、荷物を分散した方が片方に過大な負荷がかからないことと同じです。

電気代のチェックは、電気メーターでチェックして、19~27円/kwhを掛ければすぐに電気代がわかります。1シーズン1万円を捨てる気でいろいろ試してみること。
どこかに出かけるレジャー費よりもはるかに安いはずです。

どのような方法が、その家庭にマッチしているのかは、その建物の断熱性の、太陽を受けやすい立地か、建物が密集しているような場所か、あるいは生活スタイルや家族構成などで大きく変わるため、一律に、こんな方法がよい。とはなかなか決められません。
しかしダメ元で、夏のレジャー費だと割り切ってエアコンをつけっぱなしで使うことに踏み切ってみる。(うまく使えば、そんなにエアコン代は上がりませんが、もし予想外の結果となっても、そう考えておけばあきらめもつく・・という自分への言い訳も必要ですね)でもそのためには、少しコツが必要です。
むやみやたらに連続運転をしても電気代がかさむだけです。まず、よく使う部屋なのに壁が暑くなり、いつもエアコンをつけたときにフル運転が必要な部屋であれば、一度連続運転に挑戦してみる。あるいは隣にあまり使わない続き間的な部屋があれば、その部屋も弱くエアコンを入れてみる。といった挑戦をしてみてはいかがでしょうか。電気代のチェックは、月の一度の検針伝票などを待っている必要はありません。自宅の電気メーターを自分で見ればすぐにわかることですし、電気代は電力会社のホームページに載っていますから、その気になればすぐに計算出来ます。


電気代の随時チェック

たとえば8/1に電気メーターが2000kwとなっていて、8/10のメーターが2200kwとなっていれば、10日間で200kw使ったことになります。電気代は普通の従量料金から深夜電力利用等々契約方法で異なりますが、電力会社のホームページで詳しく載っています。たとえば25円/kwhという電気料金で契約しているなら、10日間では200kw*25円=5,000円が電気代と計算出来ます。そうすれば1ヶ月を経なくても任意の期間で過去の電気代との比較が可能です。

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