完了検査は受けるべきか

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完成間際になると、売り主あるいは建築会社から「完了検査は受けません」という話が出てきたり、あるいは自ら違法建築を頼んでいるから、完了検査を受けない、といった場合があります。では、 完了検査を受けないとどうなるのか。

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融資の問題

現在のフラット35等の公的融資を受ける場合は、完了検査済み書(完了検査を受けて合格したという書類)は必須要件となっています。
また、一部の銀行では完了済み書が必要な銀行もありますが、必要でない銀行も多くありますから、そういう銀行を選べば、完了検査を受けなくても住宅ローンを借りることは容易です。

法的規制と検査率

でも、建築基準法では、完了検査を受けなければならないと規定されていますが、その率はまだまだ低く、1996年頃では33%程度の建物しか完了検査を受けておらず、2005年頃にやっと70%程度の建物で完了検査を受けているのが現状です。
注:法律では、完了検査を受けなければ罰金刑と書かれていますが、それを課せられたことは現実には皆無です。

検査率が上がった背景

どうして検査率が上がったかというと、数年前までは公庫融資ですら完了検査済み書は必要なかったのですが、 公庫融資に完了検査が義務づけられたことや、銀行融資にも完了検査済み書を求めるような行政指導が行われていることが要因です。

建物の売却時は?

残念ですが、建物は年月を経るごとに価格は急激に低下していきます。築10年も経てば、建物価値は当初の半分以下に落ちています。築20年では資産価値はほとんどありません。 完了検査済み書の有無はほとんど関係ないでしょうね。

当面の実害は無い。

上記のように、完了検査を受けることは法律上の義務ですが、現実問題として、それを受けなかったからと言って、直ちに実害が発生するわけではありません。
登記は売り主あるいは建築会社の引き渡し書と建築確認の書類があれば登記出来ますし、完了検査済み書(完了検査を受けて合格したという書類)が不要な銀行であれば融資も可能です。
また、都市計画税や固定資産税といったものも、なんの申告をしなくても翌年からみごとに請求されてきます。
つまり、当面、居住することには何も支障がありません。
でも、将来次にようなことを考えているなら、完了検査は絶対に受けておくべき事柄ですよ。

将来、増築する予定がある

33%程度と低かった完了検査を上げる意味でも、いろいろな部分で法律の運用が厳しくなり、たとえば、増築をする場合は、以前の建物の完了検査済み書を提出しないと建築確認の審査を受け付けない行政庁が多くなりつつあります。
将来、増築を考えている場合は、完了検査を受けておくことは必須事項です

将来、借り換えをする計画がある

銀行融資をする際に完了検査済み書を融資条件にしなさい、という行政指導のせいか、近年、住宅ローンの借り換えを別の銀行でしようとしても、完了検査済み書が無いために、融資申し込みすら出来ない、という事例が散見されるようになりました。
すべての銀行がそうではありませんが、10年、15年先に有利な金利を提供する銀行に住宅ローンを丸ごと借り換えようということを考えても、完了検査済み書が無ければ門前払いとなる可能性が高くなっています。
住宅ローンの繰り上げ返済などですますなら良いですが、銀行を変えて住宅ローンを組み直そうという考えがある場合は、完了検査を受けておくことは必須事項ですよ。

完了検査など不要。という業者に限って、完了検査を受けなくてもデメリットは無い。ということだけしか説明しませんが、上記のように将来増築や借り換えを考えているなら、完了検査は受けておく必要があります。

このサイトでは、正義漢面して、法的義務を果たして完了検査を受けろ。等ということをいうつもりなどさらさらありませんが、そのメリット・デメリットはしっかりと把握しておくべきことですよ。
そして、完了検査を受けなくてもデメリットは無いのだ。と自ら公言してはばからない業者が、隠れてしまう部分でどんないい加減な仕事をしているのかを想像出来る想像力を持つことの方が最も大切ですよ。

補足:木造3階建て、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造の住宅
これらの住宅では、完了検査を受けたかどうかは、その建物が中間検査を受けて構造的に問題がないかどうかをチェックされたかどうかを測る重要なチェックポイントですから、完了検査は必ず受けてください。
売却時の建物調査でも、査定が大きく変わる場合があります。

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