まとめてみると

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現実の問題施工では、今まで説明してきた債務不履行と不法行為が複合して損害賠償を請求するような形になる場合が多いです。
上記のように、建築基準法などの法令に違反した工事は、不法行為として契約内容にかかわらずその責任を追求することができ、同時に債務不履行として損害賠償を請求することができます。
しかし、注文通りではない。とする債務不履行は、契約時にその注文内容がはっきりと定められていないと効果はありません。

なかなかなじみにくい民法ですが、現実の欠陥工事に直面すると、この2つの民法(債務不履行、不法行為)が建築主が戦う最大の武器となります。

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損害賠償とは

損害賠償とは、その仕様あるいは法令の状態に戻すための費用が基本ですから、ついでにもっと良いものに変えて欲しいと言ったことは請求できませんょ。そして、その費用の算定は建築士が行う場合がほとんどです。

慰謝料

慰謝料は法律違反、つまり不法行為があった場合に請求することができます。身近な例では、人に傷害を与えれば、刑法に違反した行為ですから、治療費などとともに慰謝料を請求することができます。しかし、全ての慰謝料が日本では極めて低く認定されており、建築紛争の慰謝料もせいぜい100~200万円といった程度のものしか認められませんから、高い慰謝料が取れると考えるのは危険ですょ。

証拠は現場にあり。

実は建築工事の違法な欠陥ほど立証しやすいものはありません。なぜなら、全ての瑕疵工事の証拠は、その建物にあるからです。ただ、そのためには基礎などの壊せないものは非破壊検査等の調査費用が必要であったり、瑕疵を証明するために壁や床の一部を剥がして立証するなど、建築主に大幅な精神的苦痛や金銭的支出を与える作業をしなければなりません。

実際の裁判

いくら不法行為や債務不履行が分かったとしても、実際には技術的な立証を建築士が行い、弁護士が交渉や裁判に臨むといった二人三脚で問題を解決することになります。そのため、できの悪い弁護士とできの悪い建築士がタッグを組み、堅物の裁判官にあたるとどうしようもない判決が出るかも知れませんね。裁判は全てが正義ではありません。弁護士やそれを補佐する建築士、たまたまあたった裁判官によってもその判決は異なってくる可能性はありますょ。

フラット35仕様書

このサイトでは、いろいろなページでフラット35の融資や仕様書を使う方が良いと述べていますが、その理由は、建築主自身が細かく注文を出さなくても、フラット35の融資基準に適合させる。といった特約を結ぶことで、建築会社はその履行をする義務を負い、ある一定の品質の住宅が確保でき、それを守らなければ、つまり、履行しなければ債務不履行として争う武器を持つことができるからです。

契約とは、あなたが自己の権利と義務を明確に理解することなのです。
そして、相手の権利と義務を把握することなのです。
債権と債務は対等の関係にあります。
曖昧な権利は、曖昧な義務しか要求できません。

 

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