木は何が良い

住まいを長持ち(50年間)させるのは、どんな木を使うと良いのでしょうか。
あまり、ここまで気を使う人は少数派ですが、木にも長持ちする木とそうでない木があります。 そこで、耐久性が高い木・・というものが紹介されています。

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長期優良住宅、性能評価の注意点(樹種は限定していない)

このサイトでは、おりに触れ、「長期優良住宅」や「耐久性仕様」について触れています。そのベースとなっているのは、住宅評価制度の「劣化の低減」という指針です。
しかし、この指針は、国交省自らがが説明していますが、木造住宅の乾燥度合いだけに特化してつくられた基準で、樹種については選択肢の一つとして掲げられている程度です。

たとえば、「劣化の低減」では、耐久性の高い土台や柱の樹種の指定はされていますが、代替え対策として土台に加圧注入したり、外壁通気工法や軸組の防腐処理といった対策も認められているため、腐りやすい、シロアリにやられやすい木材を使って、先の対策を講じれば、「劣化の低減」の最高等級をクリア出来ます。

耐久性の高い樹種を選ばなくてもクリア出来る仕組み

しかし、使用する木材の樹種によっても腐朽やシロアリ被害の程度は大きく変わりま すが、性能評価では、これらの評価は対象から外されています。
あえて建物の耐久性を高めるために、特定の樹種だけを指定してしまうと林業その他の産業で特定の樹種だけが高騰したり、指定されない木材の需要が低迷したりと言ったことに配慮した結果なのでしょう。
つまり、評価の敷居を低くしているんですね。
そのため、「長期優良住宅」や「耐久性仕様」の最高等級をクリアしたからといって、丈夫で長持ちする木を選んでいるわけではありませんから、本当に建物を長持ちさせるには、「耐久性仕様」の最高等級をクリアする以外に、耐久性の高い樹種を指定した方が、建物は長持ちするのです。
そして、下の樹種が長持ちする樹種であると指定されています。

土台などによい(特定耐久性樹種)

ヒノキ、ヒバ、米桧、米スギ、ケヤキ、クリ、米ヒバ、台湾ヒノキ、ウェスタンレッド

太字は、住宅でよく使われている樹種です。
一般的には土台などに使われ、在来工法であればヒノキが多く、2X4工法では、ヒバ材を使う場合が多いですね。無垢材でも集成材でも構いません。心材を好む人もいますが、割れが生じやすく、割れれば強度が低下する欠点があります。「心材」のほうが、「辺材」よりも性能は良いのですが、ワレが生じやすいというデメリットもありますから、必ずしも「心材」にこだわる必要は無いと感じます。

柱などによい(耐久性樹種)

ヒノキ、ヒバ米ヒバ、ケヤキ、米スギ、米桧、米松、ミズナラ、カラマツ、クヌギ、クリ、スギ、台湾ヒノキ、アピトン、ウェスタンラーチ、ウェスタンレッドシーダー、カプール、ケンパス、セランガンバツ、ダグラスファー、ダフリカカラマツ、タマラック、パシフィックコーストイエローシーダー

太字は、住宅でよく使われている樹種です。
軸組工法では、ヒノキやスギが多いですね。2X4工法では、SPF材以外は選択肢がほとんどありませんが、耐久性の高い樹種としてはダグラスファーを使う場合がほとんどです。
注:米杉とスギは、全く違う種類の木なので混同しないようにしてください。
(米国産のスギという意味ではありません)

シロアリも横着者

右の写真はシロアリ被害にあった家の写真です。
写真を見ると、土台はきれいなのに、その上の断熱材の落下防止のために止めていた柔らかい木材だけを食い荒らしています。人間もシロアリも横着なんですね。硬い木と柔らかい木があれば、柔らかい楽な木に群がるようです。
土台はヒノキでしたから、建物へのシロアリ被害はあったものの土台や柱への被害はありませんでした。
耐久性の高い樹種は、基本的に硬い木です。そして、硬い木だからシロアリが来ないという保証はありませんが、総じて被害に遭いにくいのでしょう。

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