耐震性の基本

Sponsored Link

地震はどこで抵抗する

地震や台風によって建物に生じる力を、2X4工法では壁や床で構成される六面の構造体を、ルービックキューブのようにいくつも組み合わせることによって耐震性を確保しています。一つ一つの六面体を耐力壁区画あるいはブロックといい、その壁を耐力壁といいます。 下の建物では、1階では4つのブロックが、2階では2つのブロックが集まって全体としての建物ができあがっています。

耐力壁(たいりょくかべ)って何?

2X4工法では、耐力壁区画の線上にある壁を耐力壁(たいりょくかべ)として計画することができます。耐力壁の代表例は下の図のように構造用合板や石膏ボードを下枠から上枠一杯まで張り、同時に所定の釘を所定の間隔で打つことによって下表下のような倍率(強度)を持たすことができます。
反対に、いくら下枠から上枠まで一杯に張っても、釘を所定の間隔で打たなければ耐力壁とはならず、天井までで止まってしまった壁も耐力壁ではありません。

床や屋根

六面体の一つである床や屋根は最初から変形のしにくい構造でつくられ、開口部も無いことから、耐震性は窓やドアの開口部がある耐力壁の計画をすることで決定づけられます。

耐力壁への力

倍率1の1mの耐力壁には、200kgの水平力が伝わります。このとき、耐力壁はどのように力が伝わっているのでしょうか。
実は、高さと幅に比例した強さが合板に生じています。たとえば幅90cmで厚み9mmの構造用合板を張った耐力壁では、その高さが2.7mあるとすると、下図のように水平の方向に540kg、縦の方向に約1460kgの強さが加わります。

釘の重要性

ここでは幅90cmの壁に構造用合板(2級)厚み9mmを張った外壁のことを考えてみましょう。上の図のようにこの場合の倍率は3.0ですから、水平方向には540kgの力が加わり、垂直方向には1,460kg程度の力が加わっています。
釘1本当たりが負担できる力は、構造用合板9mmの場合、約39kg程度です。 水平方向には100mm間隔で釘を打てば上下合計20本の釘がありますから、約780kgの力に対抗でき、水平の力540kgよりも大きい出すから安全です。
同様に垂直方向には100mm間隔で高さ2.7mの部分に釘を打てば左右で54本の釘を打ちますから、39×56=2,184kgの力を負担できます。地震で加わる力は約1,460kg程度ですから、これも安全ですね。
つまり、2X4工法は決められた釘を所定の間隔で打つことによって初めて計画された耐力を持つことができるようになっています。

釘が命

このように2X4工法の耐力壁は、枠組みと構造用合板や石膏ボードなどの面材によって構成されているものがほとんどです。そして、枠組みとこれらの面材をきっちりと固定するものは釘しかありません。
法律ではこの釘の種類とピッチが細かく定められており、これを守ることによって初めて耐力壁としての機能を発揮します。
また、下図のように所定の間隔で釘を打っていないものや、壁の途中で合板や石膏ボードなどが終わっている壁は耐力壁としては認められていません。

広告