風圧力
今まで地震だけの説明をしていますが、建物が受ける風圧力に必要な必要壁量は、下図のように1階の場合は、1階の床から1.35mから上の部分の建物の外壁、屋根などの見付面積に50を掛けると1階の必要壁量が計算され、2階は2階の床から1.35mから上の部分に50を掛ければ、その階の風圧力のための必要壁量を計算することができます。 注:X方向、Y方向それぞれに計算します。
耐震性の傾向
今までのサポート・サービスの結果では、平均的な耐震性は、建築基準法の1.25倍前後(耐震等級2前後)の建物がもっとも多く設計されています。基準法ギリギリの耐震性しか持たない設計もありますが極めてまれです。
自分の住まいの耐力壁の量は基準法の1.25倍以上を一つの目安にしておきましょう。 なお、2X4工法では、基準法の2~2.5倍程度の耐震性を持っているものが多く、 もし、あなたの建物が基準法ギリギリ程度の耐震性しか持っていなければ、躊躇せず耐震性を高めてもらいましょう。
木造3階建て
木造3階建ての場合は、今まで説明してきたような壁量計算ではなく、純粋な構造計算によって地震の力を計算し、それに基づいた耐力壁の配置や設計を行っています。
構造計算書は60~100ページにものぼる詳細なものです。 その計算書の中の、『QiPi値』を見ることで耐震性の余裕度がわかります。
右の表では、QiPi値は1.0に近づくほど基準法ギリギリなので、1階のY方向がもっとも不利で0.798ですから、建築基準法の1.25倍程度の耐震性を持っているということがわかります。 (計算式 1÷0.798=1.25)
耐震等級を誤解しないように(今までの説明について)
今までの説明では、耐震等級2や3についての説明をしてきましたが、この説明は耐震等級の取得に必要な項目のなかの耐力壁の量だけを説明しています。
実際に耐震等級2あるいは3を取得するためには、耐力壁の量以外に、
- 基礎の配筋補強
- 床面の強さの確保
- 屋根面の強さの確保
- 梁などの接合金物
- 梁寸法の確認
- 準耐力壁の算定
等が必要です。
そのため、今までの説明でいう等級2あるいは3は、耐力壁の量はその等級になっているが、他の部分の補強や確認がされていないため、品確法の耐震等級の2又は3に近い状態。というふうにお考えください。