もう一つの法則は、出来る限り写真を撮って記録を残しておくことです。
これは、前項の文字に残す理由と違い、「欠陥や手抜き工事の発見に有効」です。
『何を撮っておけばいいの??』という質問がすぐに飛んできそうですが、要点はたったひとつ、『わからなくても、ただひたすら、こまめに枚数を撮れ』に尽きます。
外観からは何もわからない
『おかしな工事をしているようなのですが?』というご相談でもっとも効果的な資料のひとつは、たくさん撮られた写真の中から、壁や床を剥がさなければわからない部分の写真を見つけたときです。 下の写真を見てみましょう。
良好な状態
欠陥、手抜き工事の事例
検査後に施工されていればわかりません。
モルタルですぐに塗られてしまえば隠れてしまい、わからなくなります。
知らないにもほどがある事例
(アホちゃうかと言う例)
検査で確認される部分ではありませんから、間違った施工が見つかるときがあります。
検査で確認される部分ではありませんから、間違った施工があります。
(せっかくの筋交いの意味がありません)
(契約解除に至る)
指摘されても後でする。と言われれば検査官は対応できない。
多少のめりこみはやむを得ませんが、ひどい場合は耐力が極端に低下してしまいます
検査で確認される部分ではありませんから、意外とおざなりにされている部分
検査で確認される部分ではありませんから、間違った施工が多い。
何気なく撮った細部の写真。あるいは『なにかおかしいな?』と思って撮った写真。
これらの写真は欠陥工事や手抜き工事の動かぬ証拠になります。
上記の良好な事例のような全景写真も、このような細部の写真も、あとで建物の瑕疵判定をする上では非常に有効な資料になります。もちろん、これらの写真は交渉をする過程で有効な動かぬ証拠になりますし、不幸にして裁判になっても証拠として提出できます。
また、赤字で書いているように、検査は点と点でしか見ていません。検査が行われた後、あるいは対象外の部分はいくら検査を受けてもわかりません。そういう意味では、検査も万全ではありません。検査の隙間を埋める建築主のチェックも重要な要素ですし、それを記録した写真も後で役にたつ場合が多いです。
しかし、このように手抜きや欠陥工事を発見するというネガティブな目的でなくても、将来、リフォームを考えているときなどは、業者に写真を見せるとその建物の施工状況がより把握できやすくなります。
子供さんや家族の写真を一生懸命記録に残しているなら、そのついでに一生に一回(?)の建物の写真もたくさん撮っておきましょう。