劣化の低減とは難しい表現ですが、簡単に言えば建物の耐久性、長持ち度です。
品確法では建物の耐久性を下のような3等級で区分しています。例えば、等級3では、「構造矩体が3世代(75~90年)もつ程度の対策」という表現を使っていますし、等級2では、「構造矩体が2世代(50~60年)もつ程度の対策」とも説明しています。
ただ、この対策を全て行ったからといって現実に3世代90年近くも建物を持たせることは、この規定にない木材の材種や施工レベル、金物のサビなどの影響や完成後の定期的なメンテナンスの度合いによって変わってきますし、90年も何もせずに持つことはありえません。
しかし、少なくとも基準法レベルの建物よりは建物の耐久性が高くなり、住宅ローンの支払い年数の寿命を全うできるような仕様となることは間違いありません。
等級について
等級3 | 普通の気象条件で、維持管理で3世代もつ 「構造矩体が3世代(75~90年)もつ程度の対策」 |
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等級2 | 普通の気象条件で、維持管理で2世代もつ 「構造矩体が2世代(50~60年)もつ程度の対策」 |
等級1 | 建築基準法通り |
劣化の低減(耐久性)のポイント
標準仕様で等級2は当たり前
大手ハウスメーカーでは、最高レベルの等級3は当たり前。
一般的な建売、建築条件付の建物でも等級2が当たり前です。
サポートサービスの事例を見ても、外壁がサイディングである建物の過半は、等級3をクリアしています。
サイディングであれば、ほとんどコストアップ無しで最高等級の3をクリアすることも容易です。
モルタル外壁だけはコストアップ
モルタル外壁の場合は、通気工法を採用すると割高となるため採用していない建物が大多数です。
通気工法の代替え措置として、柱の径を太くする、といった方法もありますが、いずれにしてもコストアップ要因になります。
2~3世代も持つというのは、疑問
50年から90年持たすために維持管理コストが必要。
別項の維持管理等級も高くすること。
この等級を3にしたから、建物は勝手に3世代持つと考えるのは早計。
屋根や外壁の経年劣化、サッシの寿命、設備の老朽化など、メンテナンスが必要なものが数多くあります。
そのため、維持管理の等級も高くし、メンテナンスのしやすい平面計画を考えておくことも大切です。また、木材の樹種による耐久性の優劣や、多用される金物類のサビなどの影響は無視されています。
それなりの改修コストを必ず考えておく必要があります。
平成12年に品確法(住宅品質の確保促進に関する法律)という法律ができました。この法律は「住まい」の品質を確保し、質の高い住宅建設を促進するための法律で、大きな柱として、建物の構造体や防水に対する10年の保証を建物を建てる建築会社や売り主[…]