地盤調査の見方

Sponsored Link

自沈層を見る

スウェーデン式地盤調査では、25kg、50kg、75kg、100kgの4種類のおもりを25cm掘り下げるのに、ハンドルを何回転させたかによって地盤の強さを計算します。

そして、半回転を単位1とし、25cm掘り下げるために半回転数が1以上あれば地耐力は3.0t/m2以上あり、100kgでは、沈んでしまい、75kgのおもりでとどまっている場合は地耐力2.3t/m2程度、75kgでも沈み込み、50kgのおもりでとどまっている場合は2.0t/m2以下の地盤となります。

そのため、地盤調査書の中で、半回転数が0の自沈層がどの程度あるのか、あるいは75kgや50kgで沈んでしまう自沈層があるのかという自沈層の有無で、地盤補強の必要性を判断することになります。

つまり、地盤補強の有無(軟弱地盤)は地盤調査書の自沈層(半回転数が0の部分)を見ればわかるのです。

地盤補強の目安

地盤調査書を判断するためには、ある程度の経験が必要ですが、おおむね下記のような目安で地盤補強が必要かどうかを判断します。
注:この表は(財)住宅保証機構の判定指針から引用しています。

地盤補強の判定基準例

沈層とは ぐりぐりとハンドルを回転させなくても、50kg、75kg、100kgといったおもりの重さだけで下に沈んでいく部分の地層
軟弱地盤とは 軟弱地盤に対する明確な数字上の定義はありませんが、一般的には、100kg以下の自沈層がある地盤のことを総称して軟弱地盤という場合が多いです

地盤調査書表の見方

上記の説明のように、地盤調査書を見る場合は、N値などの値を見るのではなく、『どのような自沈層があるか』に注目しましょう。
下の表はある地盤調査書の一例です。ここでのポイントは上の地盤補強の判定基準の例に照らし合わせて、自沈層がどのようにに存在しているのかを見てみましょう。

この表では、赤字部分で書かれているように、75kgの自沈層(半回転しないところ)が2カ所あります。しかし、地面から2m以内の部分に0.5kNの自沈層がないため、地盤補強は必要でなく、上-2の表からべた基礎の選定でいい。というふうに判断されます。

ただし、この1点だけでなく、建物5点の地盤の傾向を見ながら判断するため、地盤補強を行う必要があると判断される場合もあります。地盤補強の有無は、敷地全体の地盤の傾向を見ながら判断する必要があることを承知しておきましょう。 そして、その目安は自沈層の有無です。

逆に言えば、自沈層が無ければ、地盤補強は必要なく、布基礎、べた基礎のどちらを採用しても差し支えありません。

また、ハウスメーカーなどでは独自の地盤補強の判断基準を設けている会社もあります。あるいは、地盤調査の見方を全く知らず、地盤調査書の末尾に書かれている地盤調査会社の見解を鵜呑みにしてしまう建築会社も存在しています。

地盤は人間の顔と同様に、全く同一の地盤はどこにも存在していない、といって良いぐらい実に千差万別です。

広告