ZEH(ゼッチ)の基礎

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ZEH(ゼッチ)とはなにか?

最近、ハウスメーカーの広告でも多く目につくのが、「ZEH」という言葉です。
「ZEH」とは、「ゼッチ」と読み、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の事で、①建物の高断熱化を計り、②省エネ性の高い住宅設備を用い、③太陽光発電などの再生可能エネルギーなどを活用して、その住宅で使用する一次エネルギー消費量をゼロにすることを目指した住宅の事です。

注:一次エネルギー消費量とは、自然界で創り出されたガソリンや電気に加工される前のエネルギーを指します。ゼロ・エネルギー=光熱費ゼロではありません。

従来の断熱基準、低炭素住宅基準とどう違うのか?

現行の制度でも、「省エネ住宅」、「平成28年基準」の住宅と言われるものがありますが、これは、上の図の①建物の高断熱化だけを目指したものでした。

そして、「低炭素住宅」の基準では、 「省エネ住宅」「平成28年基準」の①建物の高断熱化に加えて、②の高性能な住宅設備の使用によって一次エネルギー消費量を1割削減する基準がありました。

ZEH住宅」では、①の建物の断熱性能の基準をより高く設定し、②の高性能設備のさらなる使用で一次エネルギー消費量の削減率20から25%を設定し、そして、③太陽光発電等の再生可能エネルギーの使用によって「ゼロ・エネルギー」を目指しているのが大きな違いです。
それ以外に、その他の規定として、下の図のような規定が盛り込まれています。

ZEHのいろいろ

頭が良すぎる官僚達は、ややこしい仕組みが大好きなようです。
実にややこしい区分ですが、下の表のような達成すべき基準の異なるZEHが設けられています。

そして、現在の「省エネ住宅」と言われている「平成28年基準」を起点にすると、下の表のような違いが見られます。
特に①建物の断熱化にしていては、下の表のように、UA値が平成28年基準よりも高い基準となっており、「その他の規定」の中で、さらなる設備機器の設置が求められています

なお、UA値の基準値は示されていますが、一次エネルギー消費量の達成値は示されていません。
なのにどうやって20%、25%削減し、かつ、太陽光発電などを入れて100%削減の計算をするのかと言うと、一次エネルギー消費量は、「専用ソフト」を使うことで、その建物の地域区分や断熱性能、床面積等々に応じた、その建物の一次エネルギー消費量が示されます。

そして、住宅設備や太陽光発電などの機器を選択することで、どの程度の一次エネルギーを使っているのか、どの程度の削減になるのかをソフトがで計算してくれるようになっています

ZEHの助成制度

申請は、登録されたビルダー/プランナーのみ
ZEH住宅を建てて、補助金を申請する場合は、「登録されたビルダー/プランナー」が行う必要があります。登録されていない住宅会社や設計事務所が申請を行うことはできません。
そのため、その会社のホームページで「ZEH住宅」の宣伝がされていれば、基本的には大丈夫でしょう。

補助金は定額部分+割り増し部分
ZEH住宅の補助金は、その性能により60万円から140万円までの定額の補助金が支給されます。それと同時に、「蓄電システム」「燃料電池」「充放電設備」「太陽熱給湯」などの設備を設置する場合は90万円を限度として、機器の容量に応じた補助金が割り増しされます。

注:これらの制度は、年々変更されると思いますから、常に最新の情報をリサーチしてください。
上の説明は2021年度の概要です。

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