人の体質は個々違いますね。寒さに平気な人。寒さが苦手な人。暑さも同様です。
断熱は地域ごとに、断熱レベルごとに必要な断熱材の厚みを示唆してくれています。たとえば関東、関西その他人口度合いの最も多いW地域という区分の次世代省エネルギー仕様(軸組工法)では、天井の断熱材はグラスウール10Kであれば200mm。床はスタイロフォームなどの発砲系断熱材であれば、65mm以上となっています。
もちろん、その厚みでつくれば「無難」なんですが、より自分たちの体質に合った断熱を仕様とするとどうすればいいのでしょうか。
■寒がりさん対策
冬の寒さ対策の基本は、床断熱の厚みを厚くすることです。
熱を遮る度合い(暖かくなった空気を逃がさない。寒い外気を透さない)は断熱材の厚みに単純に正比例します。決められた厚みよりもより厚くする。
もう一つは触って冷たく感じないような床材にする。たとえばビニール系のクッションフロアなどは表面温度がフローリングに比べて冷たく感じますし、フローリングでもパインなどの柔らかい木材の方が、硬質なフローリングよりも暖かいです。(表面温度の感じ方の違いです)あるいは冬の間だけ部分的にカーペットを敷くのも効果的です。
さらに、暖房器具は、エアコンよりもガスストーブや石油ストーブ、あるいは床暖房がお勧めです。それは、燃焼時に水蒸気が室内に出るため、知らないうちに湿度が上がり、同じ室温でも快適に「感じる」からです。
■暑がりさん
これは夏の暑さ対策ですね。 一にも二にも天井あるいは屋根の断熱材を規定値よりも厚くすること。
上の寒がりさんのときも同様ですが、規定値の1割アップなどとケチくさいことを考えず、規定値、推奨値の2倍以上増やすことを目安にしておきましょう。
そうしないと実感できません。(1割、2割増やしても、その同率でしか変わらないので、実感しにくいのです)
つまり、省エネ基準云々といったところで、個体差には関係なく、平均としての目安を提供しているに過ぎません。それ以上の個人個人にあった対策は、それぞれの相性を知り、断熱材の厚みを増やしたり、自分にあった冷暖房器具を取り入れることで、より快適にすることが出来るのです。
|