建築会社が倒産すると、建築主、つまりあなたはどうなるのでしょうか。
着工前、基礎工事が終わったとき、上棟直後、完成間近、完成後の5つのケースで見てみましょう。
Q1:契約金300万円を支払って工事もしないままに倒産すれば・・・ |
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残念ですが、相手が夜逃げした場合はお金は一切帰ってきません。
相手が自己破産を申請した場合は、平均20万円程度(*1)が、破産管財人(裁判所が指定した弁護士)から数年後にかえってきます。
残り280万円はあなたの全損です。
(*1・・一般的な自己破産時の最終精算率はせいぜい2〜5%程度なのでそこから逆算)
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Q2:契約金300万円を支払って、基礎工事まで進んだ時に倒産したが・・ |
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夜逃げの場合、仮に基礎工事費が120万円とすれば、その基礎が残るだけで、後のお金は返ってきません。
でもやっかいなことに、知らない業者がつくった基礎の上に建物を建ててくる業者を捜すことはほとんど絶望的です。そういう業者が見つからなければ基礎解体費を含めて、300万円以上の全損です。
相手が自己破産を申請した場合は、平均10万円程度(*1)が、破産管財人(裁判所が指定した弁護士)から数年後にかえってきます。
残り160万円はあなたの全損です。
でも上と同様に、知らない業者がつくった基礎の上に建物を建ててくる業者を捜すことはほとんど絶望的です。つまり、290万円の全損です。
それほど、他業者の仕事など信用していないのが建築業界です。
(*1・・一般的な自己破産時の最終精算率はせいぜい2〜5%程度なのでそこから逆算)
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Q3:上棟した時点で倒産し、すでに2/3を支払っています。 |
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残念ですが、実際に出来ている工事費(出来高<できだか>ともいいます)よりも、支払っている工事費の方が遙かに大きいでしょう。
でも、その工事費がかえってくることはありません。 ほとんど泣き寝入りとなるでしょう。
後は、続けて工事をしてくれる業者を捜し出し、すでに倒産した会社に支払っている分の費用を追い金をして建ててもらうしかありません。
でも10年保証などは誰もしてくれません。
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Q4:上棟し、内装工事まで終わった時点で倒産し、残金が1/3程度あります。 |
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非常にラッキーなケースです。実際に支払った工事費より、完成している工事費の方が多いと思います。
しかし、債権者からあなたの支払っていない残金に対して、残金を支払えと必ず請求されます。
そのために、出来上がった工事費だけを精算して支払うことが出来るように至急弁護士に相談しましょう。建物の保全措置も弁護士に相談しましょう。それによって余分な支払いもなく、損になることも避けられます。
支払っている金額が実際の工事の完成割合よりも低い場合にのみ生じる極めてラッキーなケースです。
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Q5:建物引渡の1年後に倒産してしまいました。 |
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10年保証の会社の保証に入っていれば、雨漏りと構造面だけは保証会社が10年間保証してくれます。でも、それ以外の不具合はあなた自身の手で業者を捜して直す必要があります。
10年保証の保証会社に入っていなかったのであれば、後の維持管理、補修はすべてあなたの自腹です。
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建物が完成してから建築会社が倒産しても、そんなに大きなダメージはありませんが、工事中のダメージは、建築主にとって非常に大きなものです。
実際に出来ている工事費よりも払いすぎている部分は、まず取り返すことは出来ませんし、基礎の例のように、むしろ、出来上がっている基礎すら使えない場合もあります。
また、工事途中で倒産し、後の工事業者が見つかったとしても、10年保証を付けてくれる業者などはありません。
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