建築確認と委任行為

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第643条
委任は当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾するによって、その効力を生ずる。
第644条
受任者は委任の本旨に従い、善良なる管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
第645条
受任者は委任者の請求あるときは、いつでも委任事務処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経緯及び結果を報告しなければならない。

注文建築の場合、建築確認は建築主が申請名義人(申請者)となります。しかし、現実には、建築基準法等の今まで行ったことのない手続きであり、一般的には、設計事務所や建築会社が建築主に変わってその手続きを代行します。
また、登記も同様に、申請者は建築主自身ですが、ほとんどの場合は司法書士などに代行してもらいます。
これらの行為は全て、民法上の委任行為となります。いわゆる委任状と言うのはこのような行為を委任することを約した書状ですね。

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具体的には。。

建築確認などは、建築士の委任を受けて建築士が手続きを行います。そして、建築確認で法規上の問題などで、建築士が勝手に変更を加え、その報告や了承もなしに工事が進められて、工事中に初めて変更が分かったような時などが、このようなケースにあたりますが、民法第645条では、委任事務の状況を遅滞なく依頼者に報告する義務を負っています

この規定は、委任者(建築主)に権利や義務が発生する行為を委任された者の義務と責任を述べています。この規定を守らずに委任者(建築主)に損害が発生すれば、賠償責任が発生します。

建築確認と三文判

建築会社によっては、本来申請者である建築主の印をもらわずに、「建築確認を出しておきますょ」と言って、市販の三文判で勝手に申請手続きを行う会社があります。
市販の三文判を勝手に使うことは、あなたが了承した場合に限り有効ですし、いつの間にか勝手に建築確認を出し、いつの間にか、勝手に建築確認が通っていた。といった行為は、この規定に違反した行為となります。
そして、それによって、勝手な変更が加えれ、その変更の説明がなければ、この民法の規定に違反した行為となり、損害が発生すれば損害賠償の対象となります。

建築確認申請は、建築主からの委任行為。
受任者は善良な管理者としての注意義務を有し、仔細をすぐに報告する義務を負っています。いつ提出し、変更があったのかどうか、いつ受領されたのかを遅滞なく報告する義務を委任者は負っています。
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