普通に生活をしていれば、債権、債務という言葉はまず聞くことはありません。でも日常の生活の中でも、人は知らず知らずのうちに債権者であり、債務者であることがよくあります。
たとえば、切符を買って電車に乗る。この時切符を買ったあなたは目的地まで搭乗する権利を有する債権者であり、鉄道会社はその人を運ぶ責務を負っています。また、家電店で電化製品を買い、保証期間内に故障すれば、あなたはすぐになおしてもらうはずです。この時あなたは保証期間内の商品をなおしてもらう債権者であり、家電メーカーは直す義務を負う債務者と考えられます。
もっと簡単な例は、人にお金を借りればあなたは返済する義務を持つ債務者であり、貸し手は返してもらう権利を持つ債権者となります。
このように債権、債務の関係は日常生活と切っては切り離せない関係です。
では、住宅はどうでしょうか。
建物を注文したあなたは、注文した通りのものを建ててもらう権利を持つ債権者です。そして、建築会社は、注文されたものをその通りに建てる義務を負う債務者です。
でもこの立場が逆転することもあります。それはお金の関係です。
建築会社は注文通りの建物を建てれば、あなたにお金を支払ってもらう権利をもつ債権者となり、あなたは約束したお金を支払う義務を持つ債務者となります。
これが債権、債務、あるいは債権者、債務者といわれる関係で、双方がそれぞれの権利と義務を対等に有していますし、その立場は入れ替わったりもしますね。
この関係を覚えて、事項の「債務不履行」を読んでみましょう。