地震保険は、液状化地盤

前回は液状化以外の自然地盤や造成地での軟弱地盤対策には、地盤保証を付けてもらうのがよい。と説明しました。

しかし、この地盤保証は地震等の天災は免責となり、地震で生じる液状化被害も免責となってしまいます。
かといって、液状化は、大地震が無ければ起こりませんから、起こるか起こらないかわからない液状化のために2~300万円も支出して本格的な液状化対策をする気にもなれません。

そこで比較的有効だと思われるのが「地震保険」による保証です。

東日本大震災により、液状化の判定基準が緩和され、下記のようになりました。
比較的緩い傾斜からでも「一部損」として保険金が出るようです。

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地震保険の入り方→耐震等級を取れ

液状化地域の不同沈下に有効です

地震保険は、耐震等級2では20%、耐震等級3では30%の割引料率が設けられています。
東京で2000万円の火災保険に入ると地震保険料は84,000円/年程度となりますが、耐震等級2の場合は20%割引で58,000円/年程度となり、場合によっては長期割引も適用出来る場合があります。
(注:この場合の地震保険金は、火災保険の半額なので最大で1,000万円です)

耐震等級を取得するのに20~25万円程度の設計料、申請費用などがかかりますが、まだ、アテのない液状化費用に多額のお金を支出するよりも良いかもしれません。

築20年を過ぎると支払い保険金は減額していく

しかし、この保険、あくまでも時価に対して全損でも50%の支払いなので、試算をしてみると、建物価格(時価)が減っていくおおむね築20年を過ぎる頃から、満額(この例では、全損で1,000万円の地震保険)の保険金がもらえなくなり、保険金は築年数が経つほど低くなっていきます。

たとえば、築30年で液状化被害で全損判定を受けても、そのときの時価をもともとの価格の仮に10%と仮定すれば保険金も1,200万円満額ではなく、240万円しか出ない・・といったことになるという点だけは注意をしておく必要があります。
(時価が限度という規定なので、当初2,400万円の建物価値が10%に下がれば、建物価値=時価は240万円なので、地震保険も240万円の時価が支払い限度となる)

でも・・・

建築業界自体も、住宅の液状化被害や対策の知見、データは限り無く少ないです。
そのため、なかなか液状化対策に決定打が無いのが現実です。

そういう中では、まだ費用対効果を考えれば、「地震保険」が一つの安全弁かな、という気がいたします。

液状化の恐れの無い地域で、軟弱地盤なら・・・地盤保証に入る
液状化の恐れのある地域なら、地震保険に入る

 

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