しかし、そんな地盤補強対策がどうしても出来ない場所があります。
それは、
@液状化が確実な海の埋め立て地
A池や沼地の埋め立て地の2つです。
(注:いずれも埋め立てが数メートル以上の場合です。浅ければ問題ありません。)
@液状化が確実な海の埋め立て地がどうして対策が出来ないのかは別の章で詳しく説明しますが、今回はAの沼地の埋め立てのお話です。
■点在する池や沼地
右の図は、私の地元「明石市」のgoogleでの現在の地図ですが、至る所に池があることがわかると思います。これらの池は基本的には水田のための貯水池であったり、豪雨の時の雨を一時的に貯める調整池であったりしますが、平坦地ではこのような池、あるいは沼地が至る所に点在しています。
もちろん、縮尺を変えれば、もっと小さな池や沼地がもっともたくさんあるかも知りません。
ところが、普段は堤防などがあり、自動車の目線よりも高い場合も多いですからあまり気がつきません。しかし、このような場所を埋め立てると、浅ければ良いのですが、深いと10m、20mもあります。
■埋め立てが深い場合の問題点
そして、このような深い池や沼地を埋め立てている造成地の地盤調査書を見ると、底なしの軟弱地盤の場合がありますが、このような地盤ではいくら杭を打っても、その効果は少ないでしょう。
注:池や沼地の深さが浅ければ問題ないが、深いと地盤調査をしても堅地盤にたどり着かない地盤すら存在し、売買されています。
以前のサポートサービスでも数人の方ですが、このような超が付くほどの軟弱地盤に家を建てられた方がいました。地盤調査をしても地耐力3トン程度の地盤すら見当たらなければ、杭を打つしかありませんが、杭の摩擦だけで支える摩擦杭となり、しかし、摩擦杭は液状化の時に摩擦力は失われて杭の効果がなくなってしまいます。そうなれば液状化した地盤にただ、浮いているだけの状態になり、地震の揺れに翻弄されてしまいます。
|