外壁材はが、どんな材料が長持ちしますか。というご質問をよく頂くことがあります。
あるいはモルタルとサイディングとどちらが良いですか・・というのも多いご質問です。
そういう中である機関が、とりあえずの材料のライフサイクルを決めています。それが右の表です。
これによると、住宅関係では代表的なサイディングが40年。モルタル外壁が30年となっていますね。
そして上の表をみるときに注意しなければならないことは、材料でも、厚みが指定されているALCやスパンドレルといったものは、その厚みよりも薄くなると、当然に寿命も短くなります。
そういう意味では、およそ住宅の外壁に使われている外壁材の寿命は、ほとんどが公称30年から40年程度のものだと思っておけばいいと思いますが、今の時代、そんなに材料毎の寿命が極端に違うわけではありません。
特に上の表で30年と書かれたモルタル外壁も、40年と書かれたサイディングもほとんど同じ程度の材料寿命と考えた方が良いと思います。
つまり、モルタルもサイディングも、パワーボードも、金属サイディングも、タイル張りもおよそ住宅の外壁材料自体はほとんど寿命は変わらない。
むしろ、材料を選ぶ目安は、材料そのものの寿命ではなく、その後のメンテが必要なのか、必要でないのかといった部分で選んだ方が良いでしょうね。
注:この資料では、コンクリート打ち放しで100年と書かれていますが、建築物ではなく、よう壁などの工作物と考えた方が無難です。コンクリート打ち放しの住宅が100年もつことは無いと思います。
■雨漏りリスクの統計
最近の外壁はその半分以上が「サイディング」で占められ、次が「モルタル」、最後に「パワーボード(ALC版)」や「タイル」が続きます。
そのような外壁材でも、「モルタル」は比較的雨漏りが多いようです。
住宅保証機構等が、雨漏り等の研究で日本建築学会で発表した研究資料では、サイディングの雨漏りリスクを「1」とすると、モルタルの雨漏りリスクは「2.79」まで上がっています。
対して、一番雨漏りリスクが少ないのは、「パワーボード(ALC版)で、雨漏りリスクは「0.3」ですね。
モルタルの雨漏りリスクが高いのは、モルタルそのものがひび割れを起こしやすく、また、サイディングのような外壁通気工法ではなく軸組に直接施工する工法が多く、雨漏りがあればすぐに壁内に侵入しやすいといった理由からです。
■雨漏りと厚みの因果関係
また、パワーボードに雨漏りが少ないのは、シーリングを確実に施工できるという製品の特性が大きいですね。サイディングも14mm程度の薄いものよりも16mmと厚くなるほど、耐久性やデザイン性も高くなり、雨漏りリスクも低下します(価格は上がりますが)。
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