メンテで困る家が2つあります。
雨漏りと室内のクロスのひび割れが止まらない家。
点検すら出来ない家。
実は住宅トラブルは人がつくるのです。
■ある家(雨漏りと室内のクロスのひび割れが止まらない家)は・・・
図のようにビル風の外観なのですが、3階建てで1階は鉄筋コンクリート造。2.3階は木造ですが、2番目の図の赤線で示しているように、徹底的なスキップフロアです。 私も2回ほど伺ったのですが、時々自分の位置がわからなくなっていました。
地震や台風で建物は微振動をしています。
床の構造が複雑で、予期しないゆがみが生じるため、いつもクロスが割れています。
■ある家(点検すら出来ない家)は・・
文字通り洋館風のとんがり屋根がいくつもありますが、足場が外れると、もう、屋根に上ることすら出来ません。そして、写真ではわかりにくいですが、落ち葉が貯まってしまう部分が出来てしまっています。
雨漏りがしても、簡単には見に行けませんし、落ち葉が貯まっていても取り除くことは出来ません。異変は、雨漏りがして初めて気づきますが、そこから点検するまでが大変です。屋根に足場を組まないと危険で上ることすら出来ない勾配です。(この屋根勾配では、足場がなければ屋根に登れません)
■欠陥は人によってつくりだされる
外装材は何を使っても大きな問題は生じないでしょう。
でも、雨漏りも、クロスのひび割れも、およそ、完成後のメンテの多さは、全ては無理な設計によるものなのです。
では、無理な設計は設計者が悪いのか・・というと実はそうではありません。
「えっ。木造でもビル風に出来るの。嬉しい。是非お願いします」
「ぇっ。すご~い。あこがれのとんがり屋根だわ。完成が待ち遠しいわ。風見鶏も立ててください」
何のことはない、全て建築主の同意があったればこそなのです。
ここに紹介した例は、少し極端な事例で工事費もそれなりにかかっている家ですが、ごくごく普通の小さな庶民の家でも、物事は同じです。
・デザインだけを重視した家。
・知識のない未熟な建築士が設計した家
・技術力のない未熟な業者の建てた家
・輸入住宅大好き~と、それだけ(デザインや見栄え)に先走った家
・大開口のある家
・複雑な形状の間取りや屋根、外観
などなど
要は、住宅雑誌に載れば載るほど、ある意味で見栄えを良くしようと考えますから、どこかに無理が来てしまいます。それは、結果としてメンテ費用のかかる家・・ということになってしまいます。 確かに初めのうちは、雨漏りやひび割れが起こっても、業者が来てくれますが、それもせいぜい最初だけ。10年目以降は直すのも自腹です。業者が倒産したり、誠意がなければ、見に来るだけでお茶を濁し、時間稼ぎをするだけでしょう。
まぁ。
質実剛健なんて昔気質をいうつもりはありませんが
1.知らずに危険な設計や工事をする未熟で経験のない設計者や施工者
2.無償メンテをいやがる安定した経営をしていない業者
3.そして、浮ついた気持ちの建築主
の3者が重なると、
どこかでほころびが出るんですねえ。
そして、1と2を選んだのも建築主です。
トラブルは人がつくりだします。お忘れ無く!!
そして、本気で50年もつ住宅を作るつもりなら、
シンプル・イズ・ベスト!
複雑な形状はダメですよ。
メンテに困る家は作らないこと!