住まいと耐久性住まいと法律・タイトル

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●耐久性の基本要素
はじめに
品確法の基準
基礎の高さ
床下防湿
床下換気
土台の防腐と水切り
小屋裏換気
軸組の防腐、防蟻
外壁通気って何?
重量鉄骨造の基準
鉄筋コンクリート造の基準
バルコニー防水
本気の基準法住宅
制度を活用しよう

●少し深くミニ知識編
軒の出の無い建物と外壁通気
小屋裏換気とは
バルコニー防水の方法
建物と周囲地盤の関係
24時間換気
本当の建物寿命は何年?

●耐久性を考える
耐久性の3要素
木材の規格やコスト
フラット35の耐久性仕様
メンテナンスは健康診断
その他の要素

●50年もつ家
50年もつ家を考える
立地を考える
外装材は何が良い
メンテで困る家
軒の出と建物の長持ち度
木は何が良い
35年目のオーバーホール
5年に一度、目視点検

●建物劣化とメンテナンス
建物劣化はどこから始まる
自然劣化の進み具合
人為的ミスによる劣化
メンテナンス計画表

 


 

 

 

 今までのことを踏まえて、建物が完成してからのメンテナンス計画を考えてみましょう。

 建物には、メンテナンスをしなければならない材料や部位があります。そのメンテナンスを怠ると、あとの修繕費用が多額になったり、雨漏りを誘発しやすくなる部分があります。それらに注意しながら計画的に維持管理をしていきましょう。


 

■屋根
 瓦屋根は台風などでずれなければ、半永久的と考えれば良いですが、カラーベストの系統では10〜15 年程度で色が落ちてきます。そのままでも耐候性に変化はありませんが、美観上みすぼらしくなってくるため、10〜15年程度で塗り替えが必要です。ガルバニューム鋼板などの耐候性の高い屋根材では25年程度に点検が必要な程度です。

■外壁
 モルタルは10〜15年程度で外壁塗装の塗り替えが必要で、サイディングの場合は同時期に、窓周りや サイディングのジョイント部分などに打たれたシーリ ング部分の打ち替えが必要です。サイディングはきれいなのに、と思いがちですが、シーリングの製品的な耐用年数は10年程度です。

  

■防水材
 バルコニーなどの防水工事を施したところでは、概ね15〜25年前後で防水のやり直しをしておくと良いでしょう。築30年近く経っても全く大丈夫な防水層もありますが、こればかりはその時の運と建物の環境次第で大きく変化します。

■設備器具
 水栓などは10年を経る頃から水がポタポタ落ちて止まらなくなる器具も出始めます。ガス湯沸かし器などは10〜15年で交換時期を迎え、ユニットバスなどは30年前後から交換時期を迎えます。

■換気扇とダクト
 下の写真(上)は、築10数年目の筆者のトイレの換気扇を外したところです。ダクトに多量の塵がこびりついています。開けてびっくりしましたが、理由はトイレを使う時に服(ズボンやスカート類)を上下しますが、そのときに出る微細な繊維屑が積もり積もって、このような屑となったのでしょう。
 同じく下の写真(下)は浴室の換気扇です。、築18年程度で異音がし出したので開けてみたのですが、ファンの羽にびっしりと埃がついており、ファンの空気の出口の半分を塞いでいました。(当然、吸い込む風量は半分になってしまいます)
 普段は全くメンテなどしないところですが、ホントにたまには清掃するのも必要です。

    


■メンテナンス計画の一例

      


■チェックポイントの一例
      

■メンテナンス費用
 さみだれ式に直してもお金がかかるばかりです。修繕計画と修繕費用を計画的にたてておきましょう。
 建物を建ててから10〜15年目に最初のメンテナンスが必要ですが、予算的には100万円前後を目処に積み立てておくと良いでしょう。
 戸建て住宅の場合は、マンションのように「修繕積立金」という仕組みがありません。自分で意識しないと貯まりませんよ。

  建物劣化とメンテナンス