レイタンスとコールドジョイント

レイタンスとは、コンクリートを打設後、しばらくすると表面に浮き上がってくる微粒子の成分が堆積してできる薄層のことで、ノロと呼ばれることもあります。また、表面に水が浮き上がる現象のことをブリーディングと言いますが、この水とともに粘土やセメントなどの軽い粒子が浮上し、堆積するのです。

レンタンスは、コンクリートから浮いてくる不純物で、いわば、鍋料理の時の「アク」と考えればわかりやすいでしょう。
それは、どんなコンクリートであれ、すべてのコンクリートから出てくるものです。

コールドジョイントは、その日に打つコンクリート打設中に生コン車が来ずに時間が経過し、最初に打ったコンクリートが固まりだし、その結果次のコンクリートとの間で、コンクリートが一体化できず弱くなる部分のことをいいます。

レイタンスによりコールドジョイントが起こるケースがあると考える人が多いようですが、実は直接の関係はありません。
ただ、コールドジョイントの部分はコンクリートが一体でないため、強度が低くなっているのは事実です。

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レイタンス処理の目的は、打ち継ぎ部分の一体化

普通の生活で接着剤を塗る面の掃除をするのと同様に、打設したコンクリートから浮き出た不純物(レイタンス)を取り除き、次回のコンクリートとの付着性を良くするためにコンクリート表面の不純物をはぎ取る作業をレイタンス処理と言います。

大規模な建物であれば高圧洗浄、住宅であれば金ブラシなどではぎ取るのが一般的です。

しかし、実際にレイタンス処理まで行っている現場は、大規模工事でも、住宅現場でも極めて極めて限られています。
むしろ、レイタンス処理というものをを知らない設計者、現場監督の方が多いでしょう。

結論から言えば、やった方がもちろん良いが、やらなくても、それによって重大な現象が起こることは無い!という一言に尽きます。

過去、レイタンス処理をしなかったから、地震時に建物に重大な影響が生じた。という話はありません。
その理由は、基礎には、上下に伸びる縦の鉄筋が入っており、レイタンス処理をしなくても、鉄筋が基礎のコンクリートを分離から防いでいるからと思われます。

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