バリアフリー基準は最低基準
バリアフリー住宅を考えた場合、廊下の幅、階段の高さ、出入口の幅は図のような基準になっています。
しかし、これはできる限り誰もが取り入れやすい、敷居の極めて低い基準です。
本当にすごしやすい、高齢化のために安心できる住宅を考えるならば、もう少し深く検討してみる必要があります。
寝たきりになったら…、足が不自由になったら…、介護が楽な間取りは…。
理想的な廊下幅は、芯々1.0m
図のように、住宅でもっとも多いモジュールである壁の芯々910mmの廊下の有効寸法は、76cm程度しかとれません(工法で多少変化します)。
手摺をつければ、さらに少なく70cm程度になってしまいます。
これでは、車椅子の移動はもとより、足の不自由な方を支えながらの歩行はなかなか窮屈なのが現実です。
将来、多少体の衰えを感じはじめて、自分であるくことを手助けする手摺の設置を考えれば、あるいは介添えをされながら歩くことを考えれば、廊下の芯々寸法は、1.0m程度は確保したいものです。
手摺の準備:垂直の手摺は下地がなければつけられない
手摺があると不意な転倒事故が防げ、運動範囲を広げることが出来ます。
ただ、垂直に固定する手摺は下地を最初に用意していないと取り付けできません。
直線階段がとれるのなら一考を
敷地が狭い、部屋数が必要、などの理由で、ついつい階段は、何とかこじつけて配置し、窮屈な階段をつけるということになりがちです。
U字階段、J字階段は、スパンの制約があり、やむを得ないでしょうが、曲がり部分の段数は少なくなるように考え、また、直線階段がとれるのであればその方がベストです。
これは介護や高齢化と関係なく、健常者の日常生活でも階段の上がり下りが楽になります。