安いなら、手間暇かけよう!!

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安いのに、至れり尽くせりのものは、そう滅多にありませんよ!!
~ローコスト系FC、工務店と付き合う法~

 最近、サポートサービスのお客さんによく使う言葉があります。

『安いんだから、その分自分の手間をかけましょう』

この言葉は、ローコストな工務店に頼んだのだが、どうも要領が悪い、トンチンカンな返事が返ってくるなどなど契約過程でのこういう不満を持っている人がいます。

その工務店は、価格も一番安いのだが、何か物足りなさを感じたり、頼りなさを感じる。そして、いつも気を付けて見ておかないといけないと気を使い、本当に大丈夫か、と一抹の不安を覚えるという。

そして、そういうお客さんの愚痴に対して、最近使っている言葉が、『安いんだから、その分自分の手間をかけましょう』という言葉です。

確かに積水ハウスやヘーベルハウスなど、ある特定のハウスメーカーなどは、当方へのサポートサービスの依頼はほとんどありません。その理由は、鉄骨プレハブ系という理由もさることながら、実は営業マン、設計者への社員教育が徹底しているために、顧客が不安を感じないような営業努力をし、注文者を徹底的に安心させるテクニックを教員されているのです。(注:予算のない客は相手にしない非情さもあります)
もちろん、それは、単なるテクニックだけでなく、当然技術的な知識に裏付けされています。

それにひきかえ、ローコスト系FCや地方工務店の多くは、どうがんばっても人材の教育には限度があります。それは、人材の雇用、教育のすべてにわたってです。その結果、建築主は契約までの過程での不安や、工事にはいっての漠然とした不安を抱えることになります

ある専門誌の記事の中で興味深いものを見つけました。
ある県下有数の住宅会社が、今までやってきたローコスト系FCに限界を感じて脱退し、自社独自の工法で新たな営業展開を始めましたが、その工法が売れなかったため倒産(破産)した。という経緯なのですが、この話は実は倒産の経緯が問題なのではありません。

なぜ、今までやっていたローコスト系FCに限界を感じてやめたのか、ということなのです。
そして、その元社長(倒産してしまったので元社長ですが・・)いわく、
マニュアル通りにローコスト住宅を売っていたことで、社員が成長しなくなっていたんです
・ローコスト系は余計なことを考えてはいけない商売
・要は一番安い建材を持ってこさせて右から左に流す
・しかしこれでは中の人間は成長しないどころか、どんどん荒廃していく

この現実から脱皮するためにこの社長は、外断熱に特化した自社ブランドを立ち上げたのですが、市場に受け入れられず倒産に至りました。つまり、倒産に至る本当のきっかけ(遠因)は自社社員の能力の低下だったです。

実は、社長が言われた『人の問題』は多くの示唆を含んでいます。そして、この問題はローコスト系のFCだけに限らず、すべての地方工務店が抱えている問題なのでしょう。

多くの注文者(建築主)は、どの工務店、どのハウスメーカーも、開業医と同じように、似たようなレベル(水準)だろうという漠然とした思いを持っていると思います。

しかし、実際には、人材の差は零細・中小・大手という企業規模の差で生じることはもちろん、ローコスト系に限らず、輸入住宅や高断熱高気密等々、ある分野に特化した中小工務店でも人材の差は生じています


それは、会社規模が小さくなるほど、あるいはある分野に特化するほど、その部分は専門的でも、他の部分はカラッきしダメ。という会社が多く存在しています。
典型例を少しご紹介しましょう。
1.輸入の部材やデザイン、自然建材は強いが、構造面はカラッきしダメ。(輸入住宅系や自然素材系に多いパターン)
2.次世代省エネルギー仕様、そりゃなんや?(ローコスト系に多いパターン)といった感じです。


ひろがえってご自身を考えてみましょう。あなたも満点の人間ではありませんね。良い大学を出なければ、良い企業には入れませんね。失礼だが現実を言えば、従業員数人の工務店に国立大卒の社員は入ってきません。従業員数人の会社の社長は、社員教育を教育専門会社になど依頼出来ません。技術研究所というバックボーンがあるわけではありません。自らの生きてきた道がポリシーとなり、社員教育の核にならざるを得ませんね。

しかし、押したり引いたりしながらでも、仕事もしてみんな生活をしていますね。

世の中満点のものを選ぶなら、大手の高~い住宅を選べばいいのです。あなたを絶対に不安がらせることはありません。
でも、そうでない多くの会社は、あるいはその社員は過不足のある何らかのいびつな形なのです

 

そう。あなたが感じる物足りなさや頼りなさは、言葉は悪いが成長のない社員を見ているのかも知れません
あなたはインターネットで様々な情報を得ることが出来ます。住まいに夢を持っています。でも彼らが会社から与えられている役目は、如何に安く作って利益を上げるかなのです。元社長曰く、余計なことを考えてはダメなのです。お客様と一緒に夢を見ましょうなんて歯の浮きそうなキャッチフレーズなんて全く縁のない世界です。

そのギャップがそう感じさせているのかも知れませんね。

でも良いじゃないですか。

それでローコストな住まいが手にはいるのです。そして、ローコストで作りたい、このこだわりが良いのだ、これは大手ではしてくれないのだ、と考えているなら、相手の足らない部分をフォローしてあげるだけの度量と建物への愛情と手間暇を建築主さん自ら持とうではありませんか。

そう考えれば、世の中すご~く楽になりますよ。

全く不安を抱かせることもなく、疑問があればすぐに晴らしてくれるそんな住宅を建てたいなら、高~いお金を払えば大手ハウスメーカーが建ててくれるのですから。

そして、手間暇をかけて得た住まいの付加価値は、手間暇をかけた者しか取得出来ない妙味なのです

 

注:安くても、人をだます、ウソを言うのは論外な話ですよ。 そんな人(会社)なら、契約以前の問題です。

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