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ポジショントーク。 この言葉は、私は経済評論家である渡邉 哲也さんの「渡邉哲也のポジショントーク未来予測法 「経済の先行き」「世の中の動向」がなぜこれほど明確にわかるのか」という本で知ったのですが、もともとは金融の和製英語らしいですね。 大きな意味は、「だれもがみな己が利益のために語る。すべての言説はポジショントークである。」・・とか。でもこのポジショントーク。 実は住まいの現場でもよく使われます。 そして、そのことを知らずに困惑していることが、実は多いのです。 そんな例を少し拾ってみたいと思います。 ケース1:対応が遅い!!(小さな工務店)ある日。ある方から建物が沈下しているが相手の対応が遅い。どうしたらよいだろうか・・という相談を受けました。 ケース2:安い費用しかもらっていないのだ!!(建築条件付きの設計者)たとえば建築条件付きの土地で建築士にブランをお願いしている。 その設計者は「こんな間取りでどうでしょうか」「あなたの要望を考えると、こんなブランはいかがですか」とは言ってくれません。こちらが提案した間取りをトレースしているようなプランしか提案してくれません。 これもその設計者の行動の目的(理由、わけ)は簡単です。 もちろん買主から見ると設計料の支払いはありません。この手の土地売買では、設計者はプラン提案から確認申請まで含めて1件いくらの設計契約です。設計者からすれば、余分な手間を掛ければ掛けるほど赤字になります。 これも住まいに見るポジショントークとして考えれば、相手の設計者の動きが鈍いのは、「自分のポジションを考えれば、下手に手間暇を掛けたくない」という本音が、行動を鈍くしているのです。 ケース3:虎の威を借りた営業マン(大手系ハウスメーカー営業マン)あるとき、近郊のAさんが「第三者監理をお願いしたい」と訪ねてこられました。 この営業マン、ある大手ハウスメーカー(大手2社では無く、その下のクラス)の50歳代の営業マンなのですが、その言葉を聞いて唖然としつつ、その人の顔をマジマジと見てしましました。 確かに契約約款は普段見慣れない言葉が細かい書かれています。しかし、約款の内容自体は各社横並びなのでどの会社も同じですから、特に問題の無い内容なのです。 まぁ、その営業マンにすれば、第三者監理に入ってもらうのはかまわないから、挨拶がてらのぞいた・・といったところでの雑談のつもりだったようなのですが、同時に同業者なので、「契約約款の説明を求めるなどクレーマーですよね」という同意を求めたかったようです。 この営業マン。結局、その人との請負契約は断ったようで、Aさんが「断られました」と報告されましたが、その子細はさすがに説明しませんでした。 ★さて、どうしてこの営業マンは、ただ契約約款の説明をして欲しいというだけで「クレーマー」と考えてしまったのでしょうか。 タイトル通り、「虎の威を借りた営業マン」だったのですね。 ケース4:弊社を信用してください。(不動産系営業マン)重~い意味を軽~く言う人たちがいます。 「う~ん。少し信用できないから躊躇しているのに・・」ということなど相手にはわかりません(通じません)。 ★どうして彼らはこのような言葉を言うのか。 傾向としては、知識不足の営業マン以外にも、人から「信用していただいていないんですか」と問いただされると、多くの人が尻込みすることを知っているあこぎな営業マンに多いですね。そして、あこぎな営業マンが比較的多いのが不動産系の営業マンですね。 ケース5:「大丈夫です。問題ありません」は、知識不足、自信のなさの表れ(工事現場)「弊社を信用してください」 「いゃ~。あの~。問題がありそうだから聞いているんです・・」と言ってしまいそうですが、聞いている建築主も深い知識がないので、「これが問題なのだ」とは言えませんから、そう言われてしまうと返す言葉がありません。 あるいは、「大丈夫。問題ないという言葉だけでは信用できないから聞いているのです」といってしまうと「あなたを信用していない」となってしまうので、疑問を口の中に戻してしまいがちです。 あるいは知識そのもののうわべだけしかわかっていないので、説明できないのです。 「大丈夫です。問題ありません」なんていった類の返事が返ってくれば、例外なく、自信のなさ、知識不足といった自分の弱点を隠すためのポジショントークと考えて間違いありませんね。 |
ポジション・トーク
- 2023年8月22日
- 悩んだときに読むページ
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