「風通しの良い家にしたい」誰しもそう願うのは当たり前の事ですね。
でも、現代社会では、風通しは窓の配置だけで決まるものではなく、むしろ、その家の立地環境に大きく大きくさゆうされます。
我が家の事例で説明しましょう。
台風など怖くない!
私の家は、明石海峡が目と鼻の先にある土地柄で、数分歩けば海岸から明石大橋を臨むことが出来ます。当然、台風が近づくと台風からの南東の風(暴風雨)が吹くのですが、その景観が気に入ったのか、10階建て前後の背の高いマンションが図のような形(赤色建物)で乱立しています。
自宅からの距離で言うと、100~250m離れているのですが、これらのマンション群が立ち並んだおかげで、南東から吹きつける暴風雨の風の強さが半分程度になりました。
高いマンションが、台風の風さえ遮ってしまうので、台風が直撃しても怖く感じません。でも反対に、よそ風も遮っているのでしょう。夏は以前よりも暑く感じます。
隣に建物が建つだけで風が止まる!
ずっと空き地だった西隣の土地に、下の図のように我が家にぴったりと接する形で2階建てのアパートが建てられました。
そうすると、今まで吹きつけていた冬の北西の季節風がピタッとなくなりました。空っ風が吹いても感じません。
そしてなによりも、自宅に北風が当たらないせいか、風で建物が冷えないので、少し暖房の効きが良いようにも感じていますし、反対によそ風は建物に遮られて入ってこないでしょう。
風が抜けない、通らない建て込んだエリア
つまり、周囲の建物の高さや位置関係によって、家に風が入るかどうかは大きく変わっていきます。
特に図のマルで囲った住宅が密集しているようなところでは、暴風雨も感じない代わりに、そよ風も感じない、そういうエリアになっているのだろうと思います。
何が言いたいのか
窓だけで通風がコントロールできるのではなく、それ以前の立地環境(建物の混み具合)によって、その家の風通しは大きく変化するのです。
つまり、 住宅が建て込んだエリアでは、通風は期待せず、断熱や空調に力点を置いた方が良い。
反対に、 郊外の、建物の周囲が比較的空地に恵まれた環境(4~6m以上の空地)では、通風を意識すると良い。
ということになります。