最近では、建売住宅でもペアガラスが標準装備になりつつあります。
そして、営業マンの口からは、ペアガラスだから結露しない・・といった説明が必ずなされます。
真実ではない
でも、この言葉には、真実が半分、真実でないことが半分入っています。
窓の結露で悩まれた人は多いと思いますが、窓に出来る結露はすべて『表面結露』といって、材料の持っている表面温度と、室内の温度や湿度の関係で出来るもので、ペアガラスだから結露しない・・ということはあり得ません。
ペアガラスを入れたから、サッシは結露しない、と考えるのは大きな間違いですよ!!!
結露は、表面温度がポイント
窓の結露の多くは、ガラス面よりもサッシのアルミ部分で発生し、その後にガラス面に発生するようになります。
アルミサッシに結露する。ペアガラスにも結露し出した。でも窓際の壁のクロスには、なぜ結露しないのか。
その理由は、材料の表面温度に大きく由来しています。
冬に外気温が0度になったとき、外壁側のサッシ、ガラス、内壁はどのように表面温度になっているとかというと、左下の図のように、サッシが最も外気温に近く、その次にガラス、そして内壁のクロスとなっています。
簡単実験・・冷蔵庫のビールを暖めると・・・
このことがわかる簡単な実験があります。夏に冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、しばらくすると、すぐに表面に水滴がつき始めます。
これが窓廻りに起きる結露と同じ表面結露です。
反対に、冬に冷蔵庫から管ビールを取り出しても、なかなかビールの表面に水滴は付きませんし、水滴がつくのに時間がかかります。しかし、缶ビールをガスコンロに火を点火して1秒ほどかざすと、あっという間に水滴が出始めます。つまり、材料の表面温度と、その周りの空気の温度が大きく影響しているのです。
空気が含める水分の量・・・飽和水蒸気
湿度○%とよく言いますが、これも空気中にすくまれている水分の量を表している言葉ですね。
空気はその温度に応じて、一定の量の水分を空気中に蓄えることが出来、空気の温度が低いほど、空気中に蓄えられる水分の量は小さくなり、その空気が冷たいものに触れたとき、水分が空気から離れて、水滴という結露(水分の固体化)が発生することになります。
言い換えれば、材料の表面温度が高いほど(冷えないほど)結露は起こりにくい、ということになります。
同時に、室温が低いほど、材料との温度差が少ないために、結露も起こりにくいと言えます。
表面温度の下がりにくい材料・・・
サッシの材料には、アルミサッシ、樹脂サッシ、木製サッシが代表的ですが、アルミよりも樹脂、樹脂よりも木材の方が、熱伝導率が低く、外気温が下がって、材料の温度は下がりにくくなっています。その結果、材料の表面温度が下がらないだけ、結露も起きにくい、ということになります。
結局・・・・・
シングルガラスよりもペアガラスの方が表面温度が下がりにくいから結露しにくい。しかし、ペアガラスよりもアルミサッシの方が表面温度が下がりやすいから、ペアガラスに結露しなくても、アルミサッシには結露が出来る。ということになります。