どうして窓に結露ができるのでしょうか。 その理由はとても簡単です。言葉に置き換えると・・・
「冷たい物に暖かい空気が触れる」のが原因です。
ここでいう「物」とは、物質です。道具や物体ですね。 暖かい空気とは、冷たいものに比較して相対的に暖かいと言う意味です。
結露は、冷たい物に暖かい空気が触れるから起こる
少し、実社会の実例をみてみましょう。
夏の缶ビール
冬の白い息
つまり、私たちが何気なく見ている自然現象で説明できるように、暖かい空気が、冷たい物に触れたときに結露が起こります。
では、結露しない対策は何かと言うは、上の言葉にキーワードがあります。「冷たい物」「触れる」「暖かい空気」の3つです。
結露の実例と飽和水蒸気曲線
その説明に必要になるのが、結露を調べた人なら、一度は見たことがあるのが、飽和水蒸気曲線です。空気には、その空気の温度に応じて、空気の中に水分を蓄えることができます。それを表したものが、いわゆる「湿度」です。湿度50%とは、その空気に含むことのできる水分量の50%の量の水分を含んでいる空気だ・・と言うことになりますし、その関係を表したものが飽和水蒸気曲線です。
なぜ、冷蔵庫から出した缶ビールは結露するのか。
左の図は、飽和水蒸気曲線ですが、その見方を次に解説します。
夕方から夜にかけて(水色点線)
1)室温が20℃で、
2) 湿度が50%のときに、
3) 6℃を下回る物がその空気に触れると結露する。
(緑色点線)
4)室温が25℃で、
5)湿度が50%のときに、
6)13℃を下回る物がその空気に触れると結露する
夏のビール
7)室温28℃で
8)湿度50%のときに、
9)缶ビールの表面の温度が17℃以下の時に、缶ビールは結露する
寝静まった明け方
A)室温10℃で、
B)湿度50%のときに
C)0℃の物が触れると結露する。 と言うことなのです。
もっもと、実際にはこの曲線のように、この温度になれば直ちに・・といったことではないですが、概ね、このような相関関係にあります。
つまり、窓に結露が起こるのは、低くなった外気温で、冷たく冷やされた窓に、室内の暖かい空気が触れるから。
では、どうして明け方に起こるのでしょうか。それは、窓が冷えるのが明け方だからですね。一日の最低気温のほとんどは、明け方だからです。
サッシ素材と結露のしにくさ
結露は冷たいものの表面に、より暖かい空気が触れることで起こります。そして、窓で使われている素材によっても、結露のしやすさ、しにくさに差が生じます。
これは、冷蔵庫にそれぞれの素材のものを入れて冷えるかどうかの様子で分かりますね。
このように、空気が触れるものその物(材料)をなかなか冷えない物(材料)で作れば結露しにくい。そう考えて作り出されたものが、樹脂サッシであり、木製サッシですね。
サッシも、アルミサッシ→樹脂サッシ→木製サッシの順で結露を起こしにくくなっています。
複合サッシの成り立ち
そこで生まれたのが、樹脂という加工のしやすい、冷えにくい材料の良いとこ取りをした複合サッシといわれるものです。
これは右の図のように、サッシの本体そのものはアルミで造りながら、室内側の面に樹脂を貼り付けることで結露を防ごうという作戦です。
この方法は前回の素材そのもので冷えにくくする・・という方法ではなく、暖かい空気が、よく冷えているアルミに直接触れないようにさせよう。という発想と考えればいいのではないでしょうか。
従来、ペアガラスのガラス部分は結露しないが、アルミサッシの部分が結露するという現象が起こっていましたが、室内側の表面にだけ樹脂を付けることで、サッシ自体も結露を起こしにくくなっています。そして樹脂サッシや木製サッシを使うよりも安く済みます。
性能的には、アルミサッシ→複合サッシ→樹脂サッシとなります。