注文住宅などで、数社の業者から見積もりを取り、単価を比較される場合があると思いますが、一般的に建築工事の場合は、あまり単価の比較をしても意味がありません。
その理由は、見積書の書き方が各社各様で、たとえば8帖の部屋のムクのフローリングを張ろうとしたとき、A社は、一式8万円と書き、B社は材料費4万円、大工手間3万円、諸経費1万円の合計8万円と書き、C社は13.2m2x6,060円/m2と書いて合計で8万円となる場合があります。
見積の仕方が違うのだから、単価比較は意味が無い
つまり、見積書で表現されている単価も表現方法も、実に各社様々だと言うことなのです。
そのため、単価の比較をしてもあまりに意味がありません。
工事種目ごとの比較はどうなのか
では、基礎工事や屋根工事と言った工事ごとに比較チェックするのはどうだろう。といった方法もあまり当てにはなりません。
なぜなら、右の表のように、会社事に仕入れ、つまり、下請けの値段が違うために、基礎工事は安くできるが木工事は他社より少し高いとか、その反対の場合もあります。
私たち設計事務所が行っている競争入札でも事情は同じで、個々の単価のチェックはせず(法外な単価はもちろんチェックしますが)、必要なものが入っているかどうか、見積書に漏れがないかといったことのチェックが主眼になります。
こういう点では、住宅も同じで、見積書のチェックは、単価のチェックではなく、
1.意図したもの、要求したものがキチンと入っているか。
2.見積に漏れが無いか。
といったチェックをした方が良いですよ。
見積漏れがないように
見積漏れでよく起こるケースは、『あれ!この会社が一番安いね~』と思ってよく見たら必要な工事が入っていなかったために安くなっただけ、というケースが案外多いのです。結局、見積漏れしていた工事を入れると他社と対して変わらなかった・・と言うことはよくあります。
そういう意味で、よくサポートサービスで、この見積書の単価はどうかというご質問をいただくことがありますが、その返事は『妥当な範囲の単価かどうか』が判断基準ということだけなのです。
総額で比較する
このような理由から、個々の単価や個々の工種の比較をしてもあまり意味がありません。むしろ、要求したものがきちんと入っているか、漏れが無いかをチェックした後は、トータル価格で検討した方が確かなのです。
そして、
要求したものが入っているか。
見積漏れは無いかがポイントです