欠陥住宅裁判の心得住まいと法律・タイトル


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●欠陥住宅裁判の心得
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欠陥住宅裁判に勝つ方法
正義が勝つとは限らない
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裁判、行政処分、刑事罰
裁判の掟
裁判の長さ=往生際の悪さ
裁判の勝ち負けは
 人との巡り合わせ次第かも

 裁判は、一審制と心得よ!
 
○弁護士のこと
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勝つ弁護士、負ける弁護士
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○裁判に正義は無い!
 勝って7割、示談的判決
 逆転勝訴。そんな格好の
  よいもん。無い!無い!

 判決スルーの術

●欠陥住宅・裁判事例
・なんちゅう仕事や。これは
  1.呆れた仕事
  2.呆れた反論
  3.収支決算
・欠陥工事のデパート
  1.目が点になる工事
  2.底版の無い基礎
  3.結末は・・・
・建築家トラブル
  1.金払え!

●判例ミニ知識
 以下の者、懲役1年に処す

 欠陥住宅と慰謝料   
欠陥マンションに最高裁
       画期的判決
そんなアホな!最高裁判例  
名義貸し建築士に断罪 



 

 

 

 

 さてこの話。どうなってのでしょうか。
建物が完成したのが平成19年の夏。
といっても構造体と屋根、外壁だけなので、中に入っても柱や梁が見えている状態です。

でも、工事途中から「おかしい」「おかしい」と言っていた建築主さん。私に依頼する前に、ある調査会社に調査を依頼されたそうです。

■法外な調査費
ところが、その調査会社。何を思ったのか一通りの目視調査を終わると簡単なコメントと共に、『より詳しい調査が必要なら90万円かかります』とのたまわりました。
別の悪も世の中には潜んでいるようです。
調査費用がそこまでの費用は払えない・・と私のサイトを調べられたようなのです。

多いようなのですよ、。
こういう調査会社。私のサイトでも警告をしていますが、欠陥住宅を食い物にする調査会社や建築士が・・・。

欠陥住宅裁判に勝つ方法

■調査会社はアテにならない
 調査会社というものがあります。
欠陥かどうかを調査し、数十万円という費用を支払えば調査して報告書を書いてくれます。でも、クロスがゆがんでいるとか、変色していると言った瑕疵とは言えないような些細な現象まで微にいり際にいり細かなことを指摘してくれますが、裁判にはほとんど役にたちません。
 そのほとんどが、どういう瑕疵なのか、、どの程度の重要度の瑕疵なのか、何が原因なのか、直せるならいくらかかるのか、・・といったことには何一つ答えてくれないからです。

■私の調査
遠隔地は慣れていると行っても、私の事務所から1500kmは、やはり遠いです。こういう場合は基本的に全ての資料を事前に送ってもらい、瑕疵のある可能性の部分、いわゆる見当を付けてから現地に向かいます。最初にご紹介した基礎の工事写真などは、工事の背景を知る重大な資料ですね
。 それが平成19年の10月。 調査報告書を作ったのも同月です。費用は交通費も含めて18万円ほど。

■提訴
そして、弁護士を捜して相談され、平成20年春頃には提訴されたようです。ようです・・というのは、それ以降は、実は私は裁判にはタッチしていません。(上の調査費用があまりかかっていないのは、この件では、きちんとした裁判用の調査報告書は作っておらず、建築主のかたへの概略の報告書だけだったからです)

■弁護士の性格もいろいろ
この弁護士さん。私が作った調査報告書を見ているのに、まったく私とやりとりもせず、自分で建築基準法などを勉強して裁判に望んでいたようなのです。
そのため、建築主の方から途中、あまりに進行が遅いのでイライラがつのり、あるいは不可解な返答に、私に相談のメールがあったぐらいで、どうも「人に教えを請うのがイヤ」なプライドの高い弁護士さんだったようです。
2年間の調停の間にも、私に対して建築的な相談は一切無く、相手からの反論や裁判所からの技術的提案も全て独自で対処されていたようです。(こういうタイプの弁護士は困ったものです。顧客の利益のためではなく、自分のプライドのために仕事をしているところがあります

そのためか、裁判、と言っても調停ですが、延々2年間も続け、不毛な是正方法の議論も行っていたようです。(建て替えずにこのまま是正することで直らないかの議論)

しかし、裁判所の担当者がどうしてもこの相手は許せない。せめて支払った金銭は奪い返さないと、という強い正義漢の持ち主だったようで、これが幸いし、550万円を支払え・・という和解案を裁判所が提示され、和解となったそうです。

建築主の方からすれば、裁判の専門家の弁護士の方に頼んだから素人がややこしいことを言ってはいけないという気をつかいがちです。この方もそうだったようです。建築のことなら建築士に相談すれば良いのに・・と思っても、かといって弁護士は裁判の専門家だし、でも、ダラダラと2年間も何しているの・・というところだったようです。

 

■差引勘定
さて、最初に450万円を支払、ひどい基礎の欠陥住宅だったBさん。収支はどうなのでしょうか。
あのような基礎を考えて、建て替えが妥当な結論と仮に考えると、解体費用は約100万円程度と、今までに支払った450万円がちょうど返っており、いわばチャラ。そういう意味では一定の勝訴。 しかし、それまでの弁護士費用や私への調査費用。あるいはその間の仮住まいの費用等は入っていませんから、その費用が実質的な損害と言えるのではないでしょうか。

ただ、相手の支払能力等々を考えれば、この程度で手を打たざるを得ない、という裁判とは別の事情がこういった裁判、特に調停では存在しています。

和解。聞こえは良いのですが、相手と自分の懐具合を考え、どこで手を打つか。言い換えれば妥協するか。それが調停、和解の本質です。

■補足
前ページでご紹介した基礎の状態では、配筋も法律を無視した工事をしていると推測されます。その調査にはX線写真、RCレーダーなどを使えば配筋状態を完全に知ることが出来ます。その調査は、全部で約20〜25万円程度ですが、解体やむ無しの決定的な証拠になる有力な調査方法です。

−悪徳調査会社と建築士−
欠陥住宅の被害者にすり寄って高額な調査費用をせびる業者も多いです。
ある方が言っていました。

実は、その方に依頼しようと考えたときには、
誰に頼んだらいいのかわからない靄の中から、
「やっと光明が見えた」と思ってしまうと・・。

でも、ヘタな業者や建築士を選ぶと、後は高額の、役に立たない調査報告書が残されます。



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