ここでは幅90cmの壁に構造用合板(2級)厚み9mmを張った外壁のことを考えてみましょう。上の図のようにこの場合の倍率は3.0ですから、水平方向には540kgの力が加わり、垂直方向には1,460kg程度の力が加わっています。
釘1本当たりが負担できる力は、構造用合板9mmの場合、約39kg程度です。 水平方向には100mm間隔で釘を打てば上下合計20本の釘がありますから、約780kgの力に対抗でき、水平の力540kgよりも大きい出すから安全です。
同様に垂直方向には100mm間隔で高さ2.7mの部分に釘を打てば左右で54本の釘を打ちますから、39x56=2,184kgの力を負担できます。地震で加わる力は約1,460kg程度ですから、これも安全ですね。
つまり、2X4工法は決められた釘を所定の間隔で打つことによって初めて計画された耐力を持つことができるようになっています。
・釘が命
このように2X4工法の耐力壁は、枠組みと構造用合板や石膏ボードなどの面材によって構成されているものがほとんどです。そして、枠組みとこれらの面材をきっちりと固定するものは釘しかありません。
法律ではこの釘の種類とピッチが細かく定められており、これを守ることによって初めて耐力壁としての機能を発揮します。
また、下図のように所定の間隔で釘を打っていないものや、壁の途中で合板や石膏ボードなどが終わっている壁は耐力壁としては認められていません。
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