さて、コンクリートというものは、
- 強度もいろいろある(12.15.18.21.24.27.30N/mm2といった例)
- 実際の強度も気温によって大きく左右される
といったデリケートな材料ですから、コンクリートの表面を眺めていても強度も品質も何も分かりませんね。
そのために、生コン車が到着したときに、現場で試験を行うのです。
注:この写真は、サポートサービスを受けられた方の住宅の写真です。
これだけの試験をするのにも数万円の費用はかかります。
大手ハウスメーカーでは標準的に行っている場合が多いですが、一般の住宅会社で行っている令は少ないです。
試験は生コン会社の試験室がすべてやってくれます。
上がその写真ですが、行っているのは、コンクリートに有害な塩分が入っていないかの塩化物測定と、空気が適正な量だけ入っているかの空気量の測定、そして、そのコンクリートの強度が実際はどの程度あるのかを調べるための圧縮強度試験用のテストピースを取っています。(これ以外に、コンクリート温度の測定もします)
なお、写真でテストピースが6つもあるのには理由があります。
まず、圧縮試験は3本のテストピースを試験にかけてその平均値を試験結果とします。そしてコンクリート打設後の1週間目の強度と28日目の強度の2回行うために6本のテストピースを作ります。
注:1週強度の代わりに型枠を外してもいい強度、5N/mm2になっているかどうかを確認するためにおこなう場合もあります。
スランプ試験
これと同時に行うのが、「スランプ試験」といわれるもので、極端な話をすればシャブコンになっていないか。つまり、指定した柔らかさのコンクリートであるかどうかを試験しています。
方法は簡単で、下図のような器にコンクリートを入れ、容器を上に上げるだけで、後はどれだけコンクリートが沈んでいったかの沈み量がスランプという値になります。
そして、これらのいろいろな試験は公共工事では必須で、民間工事でも、マンションなどある程度の規模になれば必ず行われている試験なのです。
しかし、住宅では規模が小さいためのに、現場監督ですら、このような試験を見たこともない現場監督は無数にいます。
そして、その経験や知識の無さが、コンクリートを監理出来ない原因となり、基礎屋に任せっきりになる原因でもあるのです。
さらに言えば、なぜ強度補正があるのか、いつ型枠をはずすのが正しいのか、という正しい知識も持たずに工事監理をし、あるいはしている会社がたくさんいるのですよ。