不安の対処

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・・・・怠けアリ・理論、総持ち、80点主義・・・・・

 アリは絶えず動き回って働いているイメージがありますね。
でも本当に真面目に働いているアリは、全体の2割。残り8割のアリは、動いているフリはしているけど実際には働いていない。 それでは、勤勉な2割のアリばかりを集めて新しい勤勉集団のアリを作ってみると、たちまち8割のアリが怠けアリになってしまって、やっぱり2割と8割の集団になってしまった。これと同じ現象が人間の集団についてもみられることを、イタリアの経済学者パレート(1848~1923)が報告しています。
会社でいえば、優秀な約2割のセールスマンが全体の8割を売上、残り2割を8割のセールスマンが売っているという調査です。
そしてアリと同じく、優秀なセールスマンばかりを集めてチームを作っても、同じ様な比率になるといいます。建築の世界に『総持ち(そうもち)』という言葉があります。
それは100本の柱があっても、用をなしていない柱もあれば、思いっきり建物を支えている柱もあります。それらいろいろな柱があって初めて建物ですし、その柱の1本や2本が傷ついても、建物がぐらつくことはありません。そして、そんないろいろな柱があって、みんなで支え合っているのが『総持ち』という概念です。これは、人間の体も同じですね。
風邪を引いたぐらいで死なない。煙草を吸い続けて、肺が真っ黒になっても肺ガンで死ぬとは限らない。
人間って意外と順応性も対応力もあるのです。建物だって同じです。1回雨漏りがしたからといって、その建物がダメになる。といったものでもありません。起こってしまった雨漏りは適切に直せばいいのです。いつも心配症のあなた。そういうあなたは、何事も一生懸命な2割の働きアリさんなのかも知れませんね。悲しい性分ですが、仕方ありません。でも、怠けアリ理論と総持ちの概念、そして試験は満点でなければならないことはない。ということを思い出し少しでも気を安らかにしておきましょう。

風邪だけでは死なない。でも風邪はこじらせないようにしましょう。世の中、その程度でも十分なのですよ。

心配とは、心を配る、と書きます。
不安は、安らかが無い、と書いています。

達磨大師が、弟子から
「私の心は不安に満ちています。どうか安心させてください」と恃んだ。大師は「その不安をわしの前に持ってこい。そうすれば安心させてやろう」と答えました。だが、その不安な心を大師に見せることは出来ない。

というのも、これが不安だという心など、どこにもないからです。そのありもしない「不安な心に」にこだわって、あれこれ悩んでいる。大師はその弟子の愚かさを鋭くついたという逸話です。 確かに不安は誰にでもあります。しかし、その不安にこだわるかどうかによって、不安は不安となったり、不安でなくなったりするのです

心配をし、そのために心を配るのはよい。しかし、不安がる必要はないも無い。

概ね、その人の言葉でどちらの心理なのかがわかります。
不安がっている人は、写真を送ってきて、漠然と『大丈夫ですか』と尋ねます。
不安がっていない人は、心を配り、『こんな状態だが、気になっているので問題ないかどうかを判断して欲しい』と言ってきます。

あなたはどちらですか?

漠然とした言葉でしか言い表せないのなら、あなたは得体の知れない不安症候群なのです。

そういうときは、あなたが風邪と思っている症状が本当に風邪なのかどうかを判断してもらうことなのです。その判断を仰がず、いたずらに不安、心配をしていても意味がないのですよ
そして、現代社会の不安の多くは、ありすぎる情報の中で、自らがその正否を判断出来ないところから出発しています

そして、対処方法は簡単です。
ノートの左側に心配事を箇条書きにして書き、右側に対処方法を書きましょう
あなたが右側の対処方法(たとえば、調べる、聞く、見てもらうといった事)が具体的に書けるようになれば、漠然とした不安症候群は無くなりますよ。 そして自分が、何に不安がっていたかも、書くことで整理することが出来ますよ。

注:達磨大師の説話は、名禅百話(武田鏡村著)より引用

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